TRPGのTは「Table-talk」のTです。Table-talkを辞書で調べると「食卓での雑談」という意味になります。食事をしながら遊ぶわけではないので、食卓をテーブルと置き換えると、TRPGは「テーブルを囲んで雑談しながら進行していくRPG」となります(テーブルを囲まないこともないわけではないのですが・・・)。
TRPGを遊んだことがある方は、「雑談が一切ないTRPG」を想像してみてください。プレイヤーはキャラクターの行動宣言とダイスロールしか行えず、マスターはPCが置かれた状況の説明とPCやNPCの行動の結果に関する回答しか行えなくなってしまいます。キャラクターとして演技する機会が行動宣言のときのみ、というのはかなり窮屈な感じがします。
ですので、「TRPGを盛り上げるためには雑談は必要」と言えると思います。
さて、この「雑談」ですが、大きく2種類に分けることができます。それは「セッションに関係がある雑談」と「セッションに関係ない雑談」です。人によっては「セッションに関係がある雑談」を雑談に含めないこともあるようですが、ここでは含めておきます。
「セッションに関係がある雑談」には、行動宣言以外でのキャラクター(PC)としての演技、NPCの発言や行動などをマスターに代わって行う演技、演技に対する感想や意見、プレイヤーが話を整理するための相談、プレイヤーが戦闘や情報収集などの作戦を立てるための相談などがあります。
行動宣言以外でのキャラクターとしての演技は、自分のキャラクターに感情移入するために重要なことのうちの一つです。冒険者が集う酒場で飲み食いしたり、芸を見せておひねりをもらったり、ウェイトレスを口説いたり。「話を進める」という意味では役に立たないこれらの会話によって、そのキャラクターの個性を表現したりプレイヤーの気分を盛り上げたりすることができます。
NPCの発言や行動をマスターに代わって行う、というのは、僕個人は話に茶々を入れているように見えてあまり行儀がいいとは思わないのですが。プレイヤーの気分が盛り上がってくるとよくあることです。市販のリプレイでも見かけます。コネクションや仲間など、特定のPCと関わりが深いNPCの演技や行動をマスターからプレイヤーに依頼することもあります。
演技に対する意見や感想は、それによって行動宣言やセリフを微調整することもできるので結構重要なことです。アドバイスをするときは、「こうしなきゃだめだよ」という否定形ではなく、「こうしたらもっとよくなるよ」という肯定形で言うといいと思います。なお、演技を評価することで有利なポイントを与えることができるゲームも存在します。
プレイヤーが行う相談も、厳密に言えば雑談に含まれます。キャラクターの行動指針を決めるための相談ではありますが、相談しているうちはキャラクターを演じているわけではないからです。キャラクター同士が実際に相談していれば雑談ではないのでしょうけれど、敵ボスの部屋の前でひそひそ作戦会議を練る光景はなかなかシュールです。
あと、雑談ではないのですが、キャラクターに感情移入するためにそのキャラクターのイラストを描く人もいます。絵を描かない人にとっては「人の話も聞かずに何やってんだ」と感じるかもしれませんが、これもまた楽しみ方のひとつです。全然関係ない絵を描くのはさすがに困りものですが・・・
これらの「セッションに関係がある雑談」は、セッションをより円滑に進行させるために必要な潤滑油であると言えそうです。
「セッションに関係ない雑談」は、もう本当にただの雑談です。誰かのセリフに触発されてそのセリフが出てくるアニメやセリフを言った声優さんの話になったり、自分のPCが登場していないシーンで同じく登場していないプレイヤーとゲームとは関係ない話をしたり、マンガや小説などを(セッションに必要な情報を調べるためではなく)読んだりすることがあります。わざと雑談を誘発するセリフを言うこともありますね。
これらの雑談は、セッション中においては百害あって一利なし、と言えると思います。雑談のせいでセッションが進まなくなり、無駄な時間ばかり過ぎていくことになるからです。ただおしゃべりをしたいなら、TRPGを遊んでいる意味がありません。
とはいえ、おしゃべりには参加者全員を打ち解けさせて、話をしやすい環境を作る効果があります。TRPGは「テーブルを囲んで雑談しながら進行していくRPG」ですので、話がはずむほうが楽しいです。
ですので、セッションを始める前に20分程度「おしゃべりをする時間」を作る、というのはいかがでしょう。しかしそれで身構えてしまうようでは逆効果ですので、食事をしながらおしゃべりするとか、色々工夫してみてください。
おしゃべりのテーマは何でもかまいませんし、無くてもかまいません。コンベンションなどで見知らぬ人とおしゃべりをする場合は、テーマがあるほうが話しやすいでしょう。全員が参加できる話でなければ取り残されてしまう人が出てしまって逆効果になるので、テーマはTRPGに関連するもののほうがいいかもしれません(ほかの人がTRPG以外にどんな趣味を持っているかは分からないですから)。原作付きのゲームを遊ぶ場合は原作の話をするのもいいでしょう。
このおしゃべりは場を盛り上げるためのおしゃべりですので、どちらかといえばポジティブな話(成功した話とか楽しかった話とか)をするのがいいと思います。ネガティブでも話し方によっては盛り上がるかもしれませんが。
雑談を使いこなすことができれば、セッションの満足度はかなり高くなると思います。TRPGに必要な会話力を磨く訓練にもなると思いますので、工夫してみてください。
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