バルナ・クロニカ

初プレイ日:2013年10月13日(日)
屍闇から現れる魔物、屍闇の穢れから生じる不屍、人間社会で屍闇の王に密かに従う屍闇の使徒。【屍闇に立ち向かう英雄候補として選ばれた者たちの、叙事詩を描くTRPG】です。
しかし、強い者が選ばれるわけではなく。【勇気】を出せなかったり、たまに【希望】を失ったり、【賢明】さを見失って愚行を犯してしまったり、【愛】を忘れて自己保身に走ったりする、普通の人々が選ばれます。彼ら、彼女らが苦難に立ち向かうことで4つの心魂を育てていき、試練を乗り越えることで戦士や魔導師などと呼ばれる存在になり、やがては吟遊詩人の叙事詩に歌われる英雄となるのです。
屍闇の王は初めて光の聖霊の力を受けた元英雄で、自分の妻を蘇らせたいという誘惑に負けて、闇の精霊の力が充満する屍闇の門を開けてしまった者。数百年に一度現界(人々が住む世界)に現れて、妻の転生体を探すはずが…光の聖霊への怒りにまかせて世界を破滅させようとします。
その最初の戦いで、元英雄を倒すことに対して、あまりの恐ろしさに戦いから逃げた者たちは「勇気」を失って【笛小人族(ココペリ)】に、戦って平和を取り戻すという希望を持てずに諦めた者たちは「希望」を失って【長命族(エルフィン)】に、勇敢に立ち向かったが大きな損失をもたらした者たちは「賢明」さを失って【戦人族(ドヴォルグ)】に、逆に有利さのみを追求して人命を軽視した者たちは「愛」を失って【鬼面族(オウガ・アザレラ)】に、何も失わなかったために4種族からの信用を失った【人間族(ザハール)】に、分かれていきました。
人間族と鬼面族は屍闇の王と戦うために帝国を作り、他の種族はその他の場所へと移り住みました。屍闇の王との最後の戦いに全勢力を送り込んだ人間族は鬼面族に帝国を乗っ取られてしまい、各地を放浪したあげく、屍闇の王との戦場跡に開拓村を作り上げている状態です。【長命族と戦人族の間を除いて、各種族の仲は総じて悪く】なっています。
といった【ハイファンタジー】的な世界で遊ぶTRPGです。
判定方法は3種類あります。
1つ目は、行為判定。5つある能力値(体力、機敏、感覚、知性、魅力。一度決めると一生変化しません)と技能レベルの合計と同じ数のD6を振って、出た目ごとに個数を数えて、最大個数になった目の個数を成功値、成功値2以上になった出目の種類数をセットと呼びます。戦闘以外や回避では成功値しか使いませんが、攻撃や受けではセット数が攻撃(受けが)できた回数(武器の攻撃数が最大値)になり、出目によって命中(受けを)する部位が変わります(部位別にHPがあります)。数人で判定をして全員の出目で成功値を求める協力判定や、出目を1種類指定して成功数を2倍にして他の出目は全部無視するクリティカルコールがあります。
2つ目は、心魂判定。トランプを1枚引いて、上述の4つの心魂値以下のカードを出すか、割り当てられたスートが出れば成功します。失敗すると戦闘が恐くて逃げたり、どうせ死ぬんだと諦めたり、正面から無謀な戦いを挑んだり、勝つために味方を犠牲にしようとしたり、します。
3つ目は、発動判定。魔法を使うときのみですが、トランプを1枚引いて、魔法ごとに決められたスートや色と合っており、しかもMPと同値以上の数字が出ると発動します。ただし、効果が出たかどうかは、その後の行為判定によって決まります。
他にルール面では、真力というダイスの振り直しやトランプの引き直しができるポイントがあるとか、武器や防具はダメージを受けすぎると壊れるとか、部位別HPが0になると四肢が使えなくなったり、【次ラウンドの終了時に死んだり】とか、クセのあるルールが存在します。逆に言うと、【敵の弱点を調べられればその部位をクリティカルコールすれば倒しやすい】とか、【次ラウンドで傷を治せば復活】できるとか、戦闘中に機転が利くと楽しいことが色々できます。
もらえる経験点は2種類あって、「運命」はほぼ同値になるものの、「叙事詩」は投票制になっていて、5種類の項目に対してMVPは2点、1票以上あれば1点と、競争の要素や役割分担の要素が含まれているのは面白いと感じました。
戦闘データをがっちり組んで遊ぶゲームではなく、その場で考えることが多くて乱数要素が高いゲームなので、好き嫌いは分かれるとは思います。ただ、十数年以上前から遊んでいる人であれば、懐かしさがこみ上げてくる良作だと感じます。


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