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プレイレポート・2008年

2008年12月20日(土)

ご近所メルヒェンRPG ピーカーブー
舞台は現代日本。お化けを見ることができる小学生(イノセント)と、その子と契約したオバケ(スプーキー)が、力をあわせて眠気と戦いながらはぐれオバケ(誰とも契約せずに人間界に居座るオバケ)が引き起こす事件を解決する児童小説的な冒険RPGです。
「ウィッチクエスト」のオマージュ作品らしく、猫が魔女を助けるがごとくスプーキーがイノセントを助ける構図が成り立っています。しかし、オバケ事件を解決するためにはイノセントの協力が不可欠なわけで、結局はお互いに助け合っているわけです。
このゲームでは、1日は大きく「学校」「放課後」「夜中」に分けられます。学校では退屈な授業やちょっとした出来事があって眠気がたまったりバッドステータスを受けたりして、放課後は情報収集や眠気の解消にいそしみ、夜中にこっそり家を出てオバケ退治をします。夜中に家を出るのがけっこう大変。GMは「友人の家で勉強会」とか言い訳を作れば大丈夫、と言っていましたけど。毎回違う言い訳を考えるのはけっこう難しいですよ。
スプーキーは普通の人には見えません。なので、人間に対する情報収集はイノセントに頼るしかありません。その間スプーキーたちはイノセントに協力する(魔力=HPは減りますが判定成功率が上がります)もよし、オバケなりの方法で情報収集するもよし。
判定は、イノセントが特技を持っている場合は2D6で5以上、持っていない場合は適切な特技まで特技表で1マス移動するごとに目標値+1になります。スプーキーは一律2D6で9以上で成功です。なのでイノセントの不得意分野をスプーキーが補う形になるでしょう。
戦闘も攻撃に適した特技が決まっており、その特技での判定に成功すればダメージを与えられます。イノセントはダメージを受けるとある1分野の特技が使えなくなってしまい、しかもHPは通常6点(特技も6分野)しかありません。一方スプーキーは協力などで消耗するとはいえ15点以上。なのでイノセントが攻撃してスプーキーが防御、というのが一般的になるように思えます。
判定の失敗率が比較的高いゲームなので、失敗やドタバタを楽しむ感じで遊ぶと面白いと思います。

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2008年12月13日(土)

大江戸RPGアヤカシ
このゲームはナイトメアハンター=ディープのシステムを原型として作られた、花のお江戸で妖(アヤカシ)を退治するゲームです。
妖は人間にとり憑いて色々な悪さをするので、誰に憑いているのかを突き止めて、その人の夢の中に入り込み、退治することになります。
PCたちは転寝師(うたたねし)と呼ばれます。なかなか風流ないい呼び名だと思います。転寝師は術師と憑神使いに分かれます。
術師はレジェンドに相当し、20種類くらいある術の中から2~3種類を選んで使うことができます。
憑神使いはディープルートに相当し、数種類ある憑神(妖怪みたいなもの)の中から1つ選び、さらにその憑神が持っている術の中から2~3種類を選んで使うことができます。憑神使いが夢の中に入るときは憑神の姿になります(そして能力値反転は相変わらずです)
アヤカシでは夢の中でPODを消費してアイテムを作ることができません。術師は自分の愛用品程度は持ち込めるようですが、弱点を突くアイテムをその場で作る、というNHDっぽい戦い方はできないのです。
能力値を決めるときの出目が高ければ術師、低ければ憑神使い、というのが定番(そうすれば夢の中での能力値が高くなる)ですが。魂(POD、消費するとダイス追加)や霊力(SAD、消費すると術を使ったりリロールしたりできる)があるおかげで、能力が低くても何とかなるような気がします。ダイス数は最大10個(通常は能力値と同じ数)なので、どうせ最終戦ではそこまで上げるのが普通だと思いますし。
このゲーム、江戸時代の町人を演じるのが難しいな、と思いました。生い立ちを決めるダイスロールの結果によっては武士になる可能性もありそうですが、町人になる確率はかなり高そうです。僕が時代劇をほとんど見ていない、というのもありますが、たとえ見ていたとしても町人は脇役であることが多く、描写が少ないように思えるんですよね。
ルールブックには色々参考になりそうなことが書いてあるっぽいです。でも時代考証をしっかりやらなければならないゲームではないので(設定がかなりトンデモなので)、時代劇ものを気軽に遊ぶのには向いている気がします。

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2008年11月15日(土)

ダブルクロス 2nd Edition
3rdの発売が決定した後で2nd初プレイというのは遅すぎの感がありますが・・・
レネゲイドと呼ばれる未知のウィルスに感染して、超常能力者となった者(主として少年少女)たちが、彼らの平凡な日常を守るために非日常の力を駆使して戦うゲームです。感染者は常に発狂(ジャーム化)する可能性があり、そうなると絶対に元に戻ることが出来ません。ここで様々な悲劇が生まれます。
ルールは1stと大きく変わってはいないらしいです。このゲームは10面体のダイスをたくさん(10個以上)使いますので、ダイスを準備するのが大変だと思います。
シーンに登場したり特殊能力を使ったりしたら侵食率(ウィルスにどれだけ侵されているかを示す値)が上がっていきます。侵食率が高くなると能力が高まり、判定で振るダイスが増えたり、特殊能力のレベルが上がったりします。特に100以上になると格段に強くなります。
判定方法は、「能力値+侵食率による修正」の個数だけ10面体ダイスを振り、最も高い出目に技能のレベルを足したものが達成値になります。出目がクリティカル値(通常は10)以上だったらそのダイスを10とみなし、さらにダイスを振り足せます。振るダイスの数が多いから面倒ですが、実は達成値の算出は簡単だったりします。攻撃のクリティカル値を上げる特技はあるのですが、防御のクリティカル値を上げる特技はほとんど無いため、攻撃は必ず命中するものと思ったほうがいいでしょう。
ダメージは「(達成値÷10+1)D10+武器の修正値」なのですが、PCのHPが20に届くことはまずないので、PCは一撃食らえば死ぬと思っていいでしょう。侵食率が100未満なら復活できるのですが、100以上だとロイス(他の登場人物とのつながり)を消費しなければ復活できません。で、ロイスを消費すると、シナリオ終了直前の侵食率減少のために使えるダイスの数が減るので、かなりジャーム化しやすくなります。
特技を使ったときの侵食率上昇は前衛のほうが後衛より少なめなのですが、それでも前衛は苦しいと思えました。

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2008年11月1日(土)

異界戦記カオスフレア・セカンドチャプター
4桁のダメージが飛び交うド派手なゲームです。無印(初版)よりも派手になっています。数値バランスは「無くて無きが如し」です。
ルールの基本部分は変わっていないのですが、ゲームマスターにフレア(ヒーローポイント。トランプを使う)を渡すルールが追加され、敵ボスと光翼騎士が大幅に強化されています。
チャプター(話の区切り。1人1回ずつ行動するくらいで区切るらしい)終了時にマスターが受け取ったフレアが5枚以上あったら、チェック欄を1つ埋めることができます。マスターはチャプター終了時にフレアを捨てるので、安心して渡してください。チェック欄は3つあり、埋まった数の分、クライマックスチャプター開始時のフレア枚数が増えます。通常はチャプター開始時のフレア枚数はパスの数なので開始時3つ、最大7つなのですが。クライマックス時は最大10枚になるということです。
無印では敵ボスのHPは+200、LP(HPが0になったときに使う別枠のHPみたいなもの)は10だったのですが、今回はHPは+500、LPは50になっています。ダメージが4桁だとそれでも一撃でHP0になりますが。
光翼騎士は自動取得特技の《光翼の盾》が「現在保持しているソフィア(スート)が合致しているフレア×10点ダメージを減少」、《銀の守護者》が「味方への攻撃をかばえる、さらにHP+50」です。無印は「使ったフレア×4点ダメージを減少(1シーン持続)」だったので、クライマックスで減らせるダメージは28点から100点以上(クライマックス中にもフレアは稼げる)になったわけです。
今回のセッションでは聖戦士が攻撃で達成値272点を出していました。差分値の2倍をダメージに追加できるが自分もダメージを受ける《捨て身の覚悟》と、味方の攻撃の差分値の2倍をダメージに追加できる《エンノイア》2発が重なってダメージは1729点(263×6+151)。《俺ごとやれ!》を温存してこれです。PCが5人もいるとこうなるのか。一方、敵のダメージはハートを14枚集めた光翼騎士がかばってほぼ無効化していました。うーむ。

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2008年10月19日(日)

風の聖痕RPG
地水火風の4種の精霊の力を使う術者(その他の術者もいる)になって、現代世界の陰で戦う現代退魔RPG。システムとしてはSRSを使用。世界観については同名の小説を参照してください。
まずトライブクラスを選択し、どんな術者であるかを決めます。炎術師、水術師、地術師、風術師の4種と、その他の術者であるイレギュラーがあります。先の4術者はさまざまな特技を覚えますが、イレギュラーはレベルを上げても1種類の特技が強くなるだけで、バリエーションは増えません。この扱いの格差がすごい。他にそのキャラクターの特徴をあらわすスタイルクラスがあり、世界にただ1人の特別な存在とか、大金持ちとか、格好いい設定を色々とつけることができます。
ブレイクスルーとして絆効果が存在します。最大7つの絆(いい感情が多いが敵対的な感情もあり)を持つことができ、消費することによって暴走状態(ブレイク)になったり、HPやMPを全快したり、ダメージを増やしたり、判定を振りなおししたり、色々できます。
残念ながら原作を知らないので筋違いのことを言っているかもしれませんが、炎術師の強さが際立っていてゲームバランスが悪いです。<火>属性の攻撃ができるのは納得いきますが、<氷>属性や<雷>属性の攻撃もできるのが強いし(5レベルで3種類取れる)、理解できません。一方水術師は<氷>属性の攻撃を持てるのは16レベル、地術師と風術師にいたっては物理属性(<斬><刺><殴>)の技しかないという・・・
今回は「風の聖痕の世界の悪の術者がポリフォニカの世界にやってきて悪事を働く」というシナリオで、両方のゲームがごちゃまぜの状態で遊びました。どちらもブレイクスルーが「絆効果」なので運用の仕方もかなり似ているので、クロスワールドなシナリオを遊ぶのには向いているかもしれません。

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2008年10月19日(日)

神曲奏界ポリフォニカRPG
神曲楽士(演奏によって魔法的な効果を発現できる術者)や精霊になって、数十年前のヨーロッパに似た世界でさまざまな事件を解決する冒険活劇RPG。システムとしてはSRSを使用。世界観については同名の小説を参照してください。フォーカスシステムというルールが用意されており、それを使うと戦闘以外の方法で事件を解決したり、戦闘と併用することで様々なイベントを発生させたりできます。
基本キャラクタークラスは神曲楽士と精霊の2種類なのですが、それぞれに8種類ずつアスペクトというものがあり、これによって基本能力値が決まったり、戦闘判定値の修正が決まったり、特定の特技の効果が上昇したりします。なので、どの特技を習得するかを決めてからアスペクトを決める、という流れでキャラクター作成することになるでしょう。実質的にアスペクトがキャラクタークラスであり、前衛か後衛かなどの役割もこれによって決まります。このあたりはちょっと煩雑な印象です。この他にキャラクターの特徴をあらわすスタイルクラスもありますが、取らなくても問題はないでしょう。
ブレイクスルーとして絆効果が存在します。最大7つの絆(いい感情が多いが敵対的な感情もあり)を持つことができ、消費することによってハイ・コンセントレーション(ブレイク)になったり、HPやMPを全快したり、ダメージを増やしたり、判定を振りなおししたり、色々できます。神曲楽士と精霊は契約することによってそれぞれが契約特技を1つずつ得ることができますが、この場合は絆をすでに消費しているものとして扱います(ダブルクロスのDロイスに近い感じかな)
フォーカスシステムは、通常の判定を何度も行うことによってゲージを進めていき、あるポイントに達したら成功、特定のラウンド数が経過してもポイントに届かなければ失敗、というルールです。シャドウラン4thの継続テストやガンドッグのターゲットレンジシステムなどに似ていますが、大きな違いが2つあります。1つは「達成値が低すぎると逆行する」こと。特にファンブルだと3マス戻るので一気に苦しくなります。成功の見込みが低い行為には手を出さないというのも大事になるでしょう。もう1つは「ゲージの進み具合に応じてイベントをはさむことができる」こと。家捜ししていると積みあがった本が崩れて判定の目標値が上がったり、戦闘開始時には攻撃無効状態であった敵に対してダメージを与えることができるようになったり、色々なことを起こすことができます。
このフォーカスシステムがなかなか面白いので、原作を知らなくてもゲームとして楽しめるのでないかと思います。
今回は契約者がいる精霊を遊んだのですが、事件に巻き込まれたペルセルテやプリネシカのことを心配する神曲楽士にやきもちをやくロールプレイが楽しかったです。PC間でラブコメができるゲームは個人的には大好きです。

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2008年6月22日(日)

シルバーレインRPG
元はインターネット上で遊ぶオンラインゲームで、ネット上の画像を駆使したフルカラーのルールブックは見ていて圧巻です。
現代地球を舞台にしたゲームです。世界は常識という名の結界に守られているが、魔力を含んだ銀の雨のせいで魔法が復活し、力を得る者がいる。魔法によって常識がくつがえされるとそれに耐え切れず発狂する人がたくさん出てくるのでそれを防ぐために秘密裏に事件を解決していく・・・という内容。能力を得た者たちは鎌倉市にある学園に集められ、監視と支援を受けます。大学生や社会人になるときに記憶や能力を封印されてしまうらしく、キャラクターは小学生から高校生までに限定されます。
キャラクターは「本業」と「アルバイト」を持ち、本業によって能力値の基本値が決まります。アルバイトには普通のキャラクタークラスのほかに使役モンスターを入れることもできます。キャラクタークラスは20種、使役モンスターは10種以上あります。他に学年、星座、生まれ(経歴)、スタイル(体型)、入学理由によって能力値に修正が加わります。
無限のファンタジアと同様、各キャラクターはHP(耐久力)とCP(特殊能力の使用回数などに関わる値)を持っています。防具によって追加HPと追加CPを得ることができますが、モンスターを使役している人はレベルの低い防具しか身につけられません。
能力値は気魄(肉体)、術式(理性や緻密さ)、神秘(感性や幸運)の3つ。これにルールブック付属のカードの数値を加えて判定します。トーキョーN◎VAなどと一緒で、能力値に合ったカードを出せなければ失敗です。カードは判定者が2枚まで、他のプレイヤーが援助するならば2人まで1枚ずつ、合計4枚まで出すことができます。判定用の数値以外に特殊効果があるカードがあり、特殊効果として使うか判定用カードとして使うか、悩みどころです。運命の糸というヒーローポイントを使うとカードをたくさん引くことができます。マスターにはマスター用カードがあり、ちょっとしたイベントを起こしたりボスの達成値を上げたりするのに使います。
このカードがゲームをとても面白いものにしてくれています
今回は死んだ恋人をゴーストにして使役する少女を演じてみました。ボスの全体攻撃をゴーストにかばってもらったのですが、128ダメージを2発受けたのが「ガード」を使って残りHPが3! マスターがびっくりしていました。
現代ジュブナイルものが好きなら確実にお勧めできるゲームです。

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2008年5月18日(日)

幻奏戦記ルリルラ ノイシュタルト
女性だけの世界アーカイアに巣くう蟲を退治するために、奏甲(ロボット)のパイロット=英雄を地球から召喚して戦う、というゲーム。
この世界の敵である蟲は「召喚した男性英雄の成れの果て」であり、男性の英雄はじわじわと蟲化していきます(女性は蟲化しませんが女性の英雄は希少です)。しかし英雄を召喚しないと蟲と戦うことはできない、というどうしようもない世界です。しかもキャラクターは蟲化には気づいていない、のだそうで、じわじわと変身していくのはかなりの恐怖でしょう。これを演じるのはなかなか面白そうです。ただ、女性の英雄は希少なはずなのにそれを規制するルールが無いので、蟲化の危険が無い女性の英雄を作る人が増えやすい傾向にあるのが残念なところです。
難点はキャラクター作成が面倒くさいこと。英雄を作り、それを補佐する歌姫を作り、英雄が乗る奏甲を作る、という3つの手順(実際の作成順序は逆になりますが)を踏まなければならず、しかもデータが多いのでそれぞれ結構時間がかかります。今回は奏甲と歌姫をサンプルから選んだのですが、それでも2時間くらいはかかりました。活躍できるキャラにするためにはデータをしっかり作りこむ必要があるので、ルールブックは必携。できれば雑誌の記事も押さえておきたいところ。ちなみに、基本的に「あれもこれも」では強くならないので技能は一点集中をお勧めします。
今回は、僕以外のプレイヤーが作った歌姫が全員「子供/チビ」の特徴を持っていました。特徴を二重取りできるようにする特徴で、特徴が強化されるためかなり強力になります。強いキャラにするためには必須、というくらい強いです。
英雄と歌姫とは必ず戦友以上恋人未満の関係になるらしく、これが「子供/チビ」と相まって「ロリコン軍団」と称される始末。
つまり、このゲームはルリルラではなく百合ロリなのです(違う)
素朴な疑問。女性しか見たことが無い人が男性を見ても、恋愛対象として認識するとは思えないのですが・・・その辺りはどうなんでしょう?
ゲーム中に英雄と歌姫の両方を演じ、しかもラブラブする必要がある、というのはロールするのがかなり難しいのではないかと思います。データも多いし、上級者向けのゲームだと思います。

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2008年5月4日(日)

ソードワールド2.0
安定度が高く、長く遊ばれ続けているソードワールドの新バージョン。
人間を神にすることができる3本の剣が統べるファンタジー世界「ラクシア」を舞台に、冒険者になって様々な事件を解決するゲームです。
基本的なシステム部分は旧版と同じですが、技能が細分化されて種類が増え、種族も増えています。追って販売される2冊目、3冊目のルールブックでさらに増えるという話も聞きます。
種族についてはおなじみの人間、エルフ、ドワーフのほかに、魔法使い系に向く兎人タビット、戦士系に向く機人ルーンフォーク、万能だが弱点のある魔人ナイトメアが増えました。エルフは水中で1時間くらい行動できるようになったり、ドワーフは火によるダメージを受けなくなったり、独特な特徴がつきました。
技能については、旧版のシーフ技能がスカウト(盗賊)とフェンサー(軽戦士)に分割されたり、レンジャー技能がシューター(射手)とレンジャー(野外活動員)に分割されたり、ソーサラー技能がソーサラー(攻撃魔法使い)とコンジャラー(補助魔法使い)に分割されたり、グラップラー(素手戦闘)やマギテック(魔道機術)が追加されたりしています。成長に必要な経験点は旧版より低くなったので、2~3レベルくらいまでは1セッション1レベルアップができます。
能力値については、キャラクターの生まれ(親の職業)ごとに変化するようになりました。能力値の決め方は「種族・生まれ別の固定値+種族ごとの可変値」という方法になっていて、能力値が平均的になりがちな人間であっても生まれに見合う能力値になるようになりました。あと、生まれ表は振っても選んでもよいことになっています。
魔法については、プリースト以外に回復魔法ができたのが新しい感じです。ただし、フェアリーテイマーのヒールウォーター以外の回復魔法は2レベル以上なので要注意。もちろんプリーストも、ですよ。
攻撃のダメージから冒険者レベルを引くことができなくなり、その代わりに冒険者レベルが上がるとHPが増えるようになりました。魔法に関しても消費精神力をレベルで割ることができなくなりました。その代わり、魔法使い系スキルを持っている分だけMPが増えるようになりました。
武器や防具の必要筋力が固定値になり、さらに防具の防御力はレーティング表を振らずに固定値になりました。
敵に関してはHPや攻撃力が上がり、防御力が下がった、という感じ。プレイヤー側と同じですね。なので敵との戦闘はかなりシビアになりました。ダメージを防具の防御点でしか引けなくなったので、前線はどれだけ高価な防具を身につけるか、が大事になったりします。
あと、戦闘においては1人で2人までは足止めできるが、それ以上は止められない、というルールが追加されています。敵が6人、前線が2人という状態で、敵2人が前線の脇を通り抜けて後列を攻撃しに行ったときはパニックになりました。
基本的には煩雑さを取り除いて、よりデッドリーなバランスのゲームになった、という印象です。

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2008年1月13日(日)

すくぱに♪~すくーるでいず・パニック~
特殊な能力を持つ高校生たちが学園で起こる事件を秘密裏に解決する、学園伝奇ライトTRPGです。
このゲームはシステム部分がとても簡素にできていて、ロールプレイすることを心がけないとあっけなく進行していきます。なのでキャラクターを演じることを強く推奨されているゲームですが、ロールプレイを補助するルールがないのはちょっと残念です。ルールがないからこそ物語を高速展開できるのかもしれませんが。
事件解決に失敗したり特殊能力を使ったりすると「うわさ」がたまっていき、たまった「うわさ」を全て回収しなければ秘密がばれてしまいます。しかし「うわさ」を回収するとストレスがたまっていき、限界を超えると廃人になります。
このゲームには通常のセッションと、ランダムで進行するオートセッションとの2種類があります。通常のセッションはオープニング、前半、後半、クライマックスの4フェイズに分かれていて、オープニングを除く3つのフェイズで判定をする必要があります。オートセッションは1日2回発生する(トランプでランダム決定される)小事件を10回(月~金の1週間分)解決するとクリアできます。オートセッションは判定方法などが確定しているのでマスターがいなくても遊べます
判定は使用能力値と難易度、ターン数と必要成功回数が決められていて、1人が成功すればいいというものではありません。例えば2ターンで8回だと、1人に2回行動のチャンスが回ってきて、のべ8人が判定に成功する必要があります。判定はトランプを使用し、普通に判定するほかに支援(カード1枚の値を味方の達成値にプラスする)を行うことができますが、支援ばかりでは成功回数を稼ぐことができず苦戦します。
つまり、ライトなノリのゲームのくせに数値的にはカツカツのゲームなわけです。
このゲームではNPCと出会ったら第一印象を決めて、判定に成功すれば親交を深めることができます。1シナリオに最大3段階親しくなることができ、10段階にまで届くとその相手をパートナー(恋人とか親友とか)にすることができます。10段階まで行かなくても、ある段階まで届くとイベントが発生するなど、まるで恋愛シミュレーションゲームを遊んでいるかのようです。ここがとても楽しいです。
PC同士の恋愛は楽しむことができないのですが、ラブコメを遊びたいなら「買い」でしょう。

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[最終更新日 2015.7.15]