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プレイレポート・2012年

2012年8月12日(日)

アルシャードセイヴァーRPG
アルシャードガイアRPGの第2版。
かつては「アルシャードシリーズの現代版」という狭い位置づけだったのが、今後はこの「セイヴァー」がアルシャードシリーズの本流になるようです。「セイヴァー=守る者」という意味から考えると、ゆくゆく異世界での冒険もできるようになっていきそうな気がしています。
基本的な世界設定は前作(アルシャードガイアRPG)と同じで、地球(ブルースフィア)の核であるマナの塊(ガイア)に選ばれてシャードを与えられ、ガイアを守るために戦う、ということ。
このゲームでは基本的な役割(基本クラス)が3つあり、どれかを1レベル以上取得して戦闘での役割を決めます。物理攻撃を行うアタッカー、魔法攻撃を行うキャスター、支援や回復等を行うエンチャンターのいずれかです。
基本クラスが3つになった理由は…『ゲーマーズ・フィールド別冊』Vol.24「鈴吹太郎の希望」p11を参照のこと。わたしにとっても目からウロコでした。
その他にサブクラスや種族クラスの中から0~2つを選んで、ライフパスなどを選び、所持品を購入してキャラクター完成、となります。パーティーバランス、特に「加護」と呼ばれる強力な特殊能力を考えると、キャラクター作成に時間がかかる点は変わっていません。コンベンションなど、終了時間が決まっている状況ではルールブック掲載のサンプルキャラクターを使うとよいでしょう。上級ルールブックでは7レベルのサンプルが豊富にあるので、成長の参考にしたり、より高レベルなキャラクターの土台にしたり、使い勝手がいいと感じます。
その他の大きな変更点は3つ。これまであった情報収集などの便利系スキルが、「汎用スキル」となって誰でも取得できるようになったこと。攻撃系魔法スキルが「魔法装備」に変わって、魔法使い系にとっても常備化ポイントが重要な存在になったり、スキルの数が多すぎて混乱しなくなったりしたこと。基本攻撃力が「2D6+修正」になって、合わせるようにHPやMPが底上げされたこと、です(HPを上げるスキル・ライフパスも取ると3レベルでHP50以上にもできます)
ゲームの進め方は…いつものF.E.A.R.流の展開なのでパスしますが、複数回の判定を繰り返して大きな物事を解決する「フォーカスシステム」が上級ルールに掲載され、正式採用となったようです。
同社でいくつも出ている現代ファンタジーですが、互いに高め合って成長しあっている感が強く現れていると感じます。逆に類似点も増えていくわけですけど…どちらかと言えばすっきりしているシステムなので、気軽に遊びたい方むけかと思います。

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2012年5月26日(土)

ラビットホール・ドロップス
童話のような世界に偶然入り込んでしまったドロップス(PC)たちが、その世界の住人になって世界の危機を救う、というお話です。
デザイナー伏見氏の介護職の経験を活かして作られた「児童・障害者支援TRPG」ということで、ルールの簡単さとほのぼのとした世界観の、最近では珍しいゲームです(伏見氏のデビュー作であるブルーフォレスト物語も、食に困らない世界で独特のほのぼの感がありましたが)
F.E.A.R.でおなじみの「今回予告」に相当する、1枚のイラスト(地図に近いけど)を用意して、そこにあるルートやヒントを探しつつゴールを目指します。
場合によっては戦闘を避ける事ができる・・・というか、戦闘や罠などを上手に避けるようにしないと、簡単にHPが尽きてしまうというか。見た目の割にシビア、という印象です。とはいえ騎士なんかは鎧が強くて「傷ひとつ追わない」ことも結構ありますけど。
でもここは童話の世界。やっつけられても死ぬことはありません。もちろん、敵を殺すのもダメですよ。攻撃でこらしめるまでにとどめておいてください。ここで「本当は残酷なグリム童話」とかを持ってこられても困ります。いやあの、本気で困ります。
シナリオが終わったら、ドロップスたちは夢から覚めて現実世界に戻ってきます。こういう区切りをつけないと、空想の世界に入ったままになってしまう人もいるので、用途が用途なだけに結構重要なのかも知れません。
能力値は4種類。勇気、知恵、優しさ、幸運。2D6で能力値以下を出せば判定に成功します。6の目は0とみなしますが、6ゾロは自動失敗です。話が進んでいくうちに能力値を成長させる機会を得られるので、1ヵ所を集中して伸ばせばかなり活躍できると思います。
各役柄にはそれぞれ得意技が2つあり、ほとんどが「自分にしかできないこと」なので、見せ場を奪う危険性もあまりないと思います。TRPGに慣れるためにもちょうどいいゲームだと思えます。
ただ、ルールによる制約が少ない分、ゲームマスターはそれなりに大変ですので、ご注意を。基本的にほのぼの系なので、失敗時のペナルティは基本的に甘めでいいと思います。

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[最終更新日 2015.7.15]