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リーベラトール ~剣と魔法と影の支配者~

世界観

 剣と魔法のファンタジー世界と化した、遠い未来の地球が舞台となる。
 邪悪な「竜」たちを滅ぼしたと称する、人間の姿に化けた「爬虫人」が世界を支配している。邪悪な竜を倒した者の子孫であり、野蛮な鬼と戦う指導者である彼らを大半の人間が支持している。
 爬虫人には、生命を維持するために人間や亜人の体に含まれる魔力を物理的に摂取する必要がある。摂取のための食人など、爬虫人の正体を知った者は犯罪者として濡れ衣を着せられ、処罰の対象になる。処罰のうちの1つに「冒険者にする」があり、有能な人材を安く活かす方法として活用されている。
 魔力によって「人間」から派生した数種類の「亜人」、同様に「動植物」などから派生した「魔獣」、魔力を帯びて動く能力を得た死体や物体である「付喪」、魔力そのものが意思を持ち肉体を形成した「妖霊」といった新しい生命が存在する。
 支配種族である爬虫人は、おおまかに「亜龍族」、「鰐牙族」、「亀甲族」、「蛇脚族」、「蜥蜴族」に区分され、大半を蜥蜴族が占める。人間と爬虫人を合わせた勢力を人類と呼び、地球上で最大の版図を持つ。
 よく見られる亜人として、強すぎる魔力に精神を侵された「鬼族」のほか、主に山岳に住む「緋槌族」、主に森林に住む「翠葉族」、主に水辺に住む「碧鱗族」が知られている。鬼族以外の亜人たちと人類は、基本的に相互不干渉を保っている。
 鬼族と人類は、お互いに侵略し合う戦争状態にある。

冒険者とは

 この世界では「命の危険がある仕事を、贖罪として請け負う元犯罪者」として認識されている。目立つ場所に専用の入れ墨を施されているが、化粧による隠蔽や偽装を行うことは不可能ではない。兵士の派遣を期待できない規模の事件を、街や村の共同資産からの出資で解決する役割を持つが、疎まれたり恐れられたりすることが多い。
 爬虫人たちの意識は外敵からの襲撃と鬼族の征伐、謀反の予防に集中しているため、領土内で起こる様々なトラブルに対して兵士を派遣する余裕はほとんどない。しかし治安維持を為政者の部下ではない者たちに任せすぎると、反乱のきっかけになる恐れがある。
 そこで彼らは「自らの地位を脅かすほど有能な者の社会的発言権を奪った上で活用する」制度を構築した。有能な者や、爬虫人の本性を知った者を犯罪者の地位に貶すことにより、冒険者として能力のみを活用する狙いがある。これまで冒険者による反乱は何度か発生しているが、いずれも他の冒険者や兵士たちの動員で食い止められている。

爬虫人とは

 貴族や騎士などの支配階層を担っている種族である。(蜥蜴族を除いて)体内で魔力を生成できないことが大きな特徴で、人間や亜人の血肉に含まれる魔力を摂り続けなければ生命を維持できない。
 蜥蜴族は最も格下だが最も尊大で、自らを全知全能であると信じている。人間との混血(クォーターあたりまで)や、儀式によって爬虫人になった者が蜥蜴族になる。大半は騎士であり、優れた功績があれば男爵になることもある。爬虫人の特性と人間の魔力が上手に融合されれば、亜龍族以上の能力を持つ可能性があるとされているが、これまでそのような個体は確認されていない。
 鰐牙族は一騎当千の兵で正々堂々とした性質を持つが激しやすく、抵抗した者をその場で処刑する乱暴者である。男爵から侯爵の地位を持つ。主に軍事と農業を掌握しており、属性としてはP(物理)である。
 亀甲族は持論を貫き通すためならどんな罪をも犯す頑固者で、敵勢力やPCたちと手を組むことすらある。男爵から侯爵の地位を持つ。主に宗教と学問を掌握しており、属性としてはM(精神)である。
 蛇脚族は用心深く、知略や誘惑の片方、または両方を得意とする。他の爬虫人の副官に就くことも多く、謎に満ちている。男爵から侯爵の地位を持つ。主に商工業を掌握しており、属性としてはC(社交)である。
 亜龍族は他の爬虫人を統べるだけの高い能力を持つが、感情と魔力を持つことができない。最低でも侯爵の地位を持ち、国王は例外なく亜龍族である。竜族が支配するかつての地球を滅ぼし、今の社会体制を創り上げた者たちの子孫にあたる。

鬼族とは

 魔力の多い土地に長年住み続けた人類の末裔とされる、全身に魔力を帯びた亜人である。
 鬼族はおおまかに2種類に分かれる。片方はただの野蛮な暴れ者で、もう片方は深い洞察力を持つ者である。だが後者も破壊衝動を抑えることは難しく、爬虫人の本性を激しく憎んでおり、積み上げた策略を怒りで台無しにしてしまうことがある。
 爬虫人にとっても不倶戴天の敵であるが、死体の扱いは特殊である。魔力が多いため付喪(アンデッド)になりやすく、遺体を燃やし尽くせない場合は人里まで持ち帰り、専門の術者に渡すことが推奨される。特に魔力が強い脳や心臓、骨髄などは加工されて魔法の補助具にされることがある。魔力が強すぎるため、爬虫人の魔力摂取には利用できない。

未来の地球に伝わる伝承

 かつてこの地球と呼ばれる世界には、高度な魔法文明があった。魔力の塔から引き出した魔力を呪物に込めることで、誰もが多彩な魔法を使うことができた。しかし、魔力の塔の崩壊によって、この文明は滅んだ。壊れた魔力の塔から放出される穢れた魔力は、あらゆる生命の心と体を歪めていった。
 このとき支配階層であった竜族は、これを機に人間たちの数を減らすことにした。人数の増えすぎによって、支配のための魔力が不足したためである。竜族の配下として仕えていた爬虫人はこの決定を不服として反旗を翻し、大きな犠牲を支払いつつも下剋上に成功する。
 しかし穢れた魔力による汚染を止めるすべは既になく、一部の人類は地下都市での避難生活を余儀なくされた。残された人類や動物たちの多くは死滅し、一部は穢れた魔力によって大きく変質した。魔力の影響が少ない地域には細々と生き延びた集落もあった。
 混乱を極めた数年の後、機能停止寸前の地下都市を捨てて地上に戻った人類は、魔力の塔に頼らない新たな文明を築き上げることになった。

異星人による地球の操作

 今から数万年前、逃亡者である2種類の異星人が地球にたどり着いた。爬虫人を従える竜人は自らに仕える種族を増やすため、バイオテクノロジーと魔法(超能力)を組み合わせて人類を作り上げた。
 自らの生活を向上させるためには文明を興さなければならず、しかし発展させすぎると他の異星人たちとの連絡手段を確立されてしまう。多星間の連邦政府(現代地球の国連に近い)による逮捕を避けるためには発展しすぎた文明を滅ぼさなければならず、彼らは何度も自ら文明を滅ぼしてきた。
 しかしあるとき、爬虫人に謀反を起こされた竜人たちは全滅してしまう。竜人のDNAが混じった民族も存在していたが、そのほとんどが駆逐された。
 魔力を持たない爬虫人は科学による文明を作り上げ、(GMやプレイヤーにとっての)現代まで発展させ続けた。しかしインターネットの発達によって、人間に知られたくない情報の流出を止められなくなったことを知った爬虫人たちは、逮捕を避けるために文明を破壊することを決意する。
 爬虫人たちは、コンピューターウイルスによって原子力発電所を暴走させたり、感染力を高めるために組み合わせで毒性が強まる弱毒性ウイルス(致死率が高すぎるウイルスは宿主の死によって感染が拡がらなくなる場合がある)を散布したりすることで、地上を居住に適さない環境に仕立て上げた。爬虫人たちは有能な者を連れて地下シェルターに逃亡し、環境への耐性を得るための遺伝子操作を施した。
 改造された元人間=蜥蜴族たちは、地上に戻って生き残りの人間たちを支配し始めた。突然変異によって環境への耐性と魔力を得た異種族たち、特に広い版図を持つ鬼族を科学技術によって駆逐し、人間たちの信頼を獲得していった。
 科学だけでは限界が生じること、および石油や電力の大量生産が不可能になったことによる技術の退化を悟った爬虫人たちは、竜人の技術を用いた魔法による文明の構築を試みることにした。

文明レベル

 科学的な文明のレベルはおよそ15世紀と同じで、魔法によって17世紀頃、産業革命直後の水準に保たれている。貴族たる爬虫人たちは人間に情報と人権を与え過ぎないよう文明を低いレベルに押さえつけており、自らも高度文明を活用することはほとんど無い。発電所や石油プラント、通信網や製作用機械などの大規模設備は、作業員不足により稼働できない。資料は残っているものの、前提条件を満たせずに使えなくなったロストテクノロジーも、大量に存在する。
 教育は義務ではなく、先進的な領主以外の土地では文字すら読めない者が多い。仕事は長男が世襲し、次男以降は兵士になることが多い。女性は誰かの嫁になるか、口減らしのために売られることが多い。親元を離れた者の半数近くは爬虫人の生贄となって死ぬ。この現状に疑問を抱く者はいるが、原因を解明できる人間はごく少数である。
 暦は現代のものと同じであるが、元年は爬虫人たちの地上への帰還の年に改められている。現在はおよそ100年(GMが設定してよい)が経過している。休日は年末年始以外は日曜日のみで(休日の他に祝祭日を定める国もある)、たいていは午前を教会で過ごす。庶民にとって数少ない娯楽の1つであり、さらに無償で昼餐が提供される。
 時刻は通常2時間単位で管理されるが、砂時計を使えば分単位の計測もできる(ただし移動しながらの利用は困難)。6時から18時まで2時間おきに、機械式時計が置かれた教会の鐘が鳴ることで、おおよその時刻を把握できる。上流階級の間では、前文明の遺産である腕時計が流通している。

魔法とはなにか

 特定の儀式を行って己の意志で物質や電磁波などに干渉する、科学とは別種の論理的な技術体系である。意志だけで使うことができるものではなく、使う魔法に応じた特定の儀式を必要とする。戦闘中に魔法を使うときは、儀式を簡略化するために作られた道具が不可欠である(魔法を使える設定のプレイヤーキャラクターは、能力に応じた道具を所持している)
 元々は竜人の技術を爬虫人が盗用したものであるが、竜人たちは儀式無しで魔法を使うことができたと言われている。儀式に道具として動物や人間の血肉や放射性物質を使うと成功率が上がることが発見されており、より強い魔力を持つ亜人、特に鬼族は強力な道具になる。魔力を持たない爬虫人でも、適切な道具があれば魔法を使える。
 魔法は人類ならば学院や教会、亜人ならば長老などから口伝で教わることができる。学院は上流階級、特に爬虫人向けの機関である。教会は貧しくても才能があれば受け入れる機関であるが、才能がある者は爬虫人になるよう勧誘される。
 なお、この世界では科学のほうが非現実的なものだと信じられているため、ほとんどの人はかつて地球上にあった科学文明を高度な魔法文明だったと認識している。

主要な宗教

 人間と爬虫人の社会で一般的な宗教は「救世教」という一神教である。亜人と交流がある者など、一部は他の宗教を信仰している。
 救世教の主流は、悪魔に支配された鬼族を倒すことで神の国を築くことができる、と説く神国派である。他に、戦いより神との対話としての労働を重視する福音派、聖典と祭祀を重視する聖典派などがある。
 どの宗派も聖典と聖印は共通で、立方体の上下左右に同じ大きさの立方体をくっつけた形の銀十字を聖印としている。
 輪廻転生の死生観を持ち、罪を清算した魂は神の御下で暮らすか、救済のために貴族として地上に訪れるかを選ぶことができると語られている。どの宗派も人生の苦難を罪の精算の機会として捉え、苦難からの逃避(犯罪や自殺)を罪深い行為とみなしている。
 一方、亜人が信仰する宗教は自然崇拝や多神教が多い。緋槌族は大地母神信仰、翠葉族は動物精霊信仰、碧鱗族は祖霊先祖信仰が一般的なようだ。人間より魔力が強いため、道具を使わず身振り手振りと祈りの言葉だけで魔法を使うことができる。
 鬼族は信仰心を持たない暴れ者だと思われているが、実は太陽または別の星から訪れた竜を主神とする多神教である。魔力がとても強いため、祈りの言葉以外の儀式無しで魔法を使うことができる。

冒険者の生活と貨幣

 プレイヤーキャラクターたちは、原則として冒険者の宿での寝食には困らない程度の現金を常に持っているものとする(常に銀貨を数枚持っている状態)。よって、所持金に関するルールは設定しない。
 冒険者の主な収入減は、地域住民からの依頼料、賞金首の賞金、遺跡等の探索や離れた地で手に入れた金品の売却益の3つ。賞金と金品は大きな街に行かなければ換金できない場合もある。鬼族にはほとんどの地域で常に賞金がかけられており、冒険者の基本的な収入源になっている。

 この世界には金貨、銀貨、銅銭の3つが存在する。
 金貨1枚は約3万円の価値があり、1枚で借家住まいの単身者が、2枚で持ち家がある二世代世帯が、約1週間生活できる。100枚~1000枚で一般世帯向けの家を入手できる(家や土地は長男が相続する場合が多い)。鋳造した国の刻印が施されているが、基本的な価値は重さに依存する。500円玉の1.5倍くらいの大きさで、厚みは5倍程度。金は柔らかいため、2割ほど別の金属を混ぜて合金にしている(国の威信に関わるため、不正な比率での鋳造はほとんど行われないものとする)
 銀貨1枚は約3000円の価値があり、10枚で金貨1枚になる。1枚で宿への素泊まり1泊分、小規模な宴会1人分、医療など短時間のサービス1回分(3枚で1日分)に相当する。刻印の内容は様々で、大規模商店の宣伝が施されたものもある。基本的な価値は重さに依存する。500円玉の2倍くらいの大きさで、厚みは3倍程度。1割ほど別の金属を混ぜて硬度を高めている。
 銅銭1枚は約30円の価値があり、100枚で銀貨1枚になる。中央に穴が空いており、10枚の束を作って取引に使うことが多い。1束で安酒1杯、軽食1個、果物1個(1房)。2束で湯浴み1回、定食1食、菓子1包。1枚で飲み水1杯、A4サイズの紙1枚、塩1掴みを購入できる。刻印が無いものも多く、基本的な価値は重さに依存する。500円玉くらいの大きさで、厚みは2倍程度。他の金属で代用品が作られる場合もある。

 賞金首については、生死を問うものと問わないものがある。問わない場合、賞金首本人を討った証明できるものを引き渡す必要がある(首など)
 賞金額は、障害の目標値1で銅銭1束(銀貨1枚未満)、2で銀貨1枚(金貨1枚未満)、3で金貨1枚(10枚未満)、以降+1につき10倍になる。PCたちに賞金がかけられることがあるならば、LV1で金貨1枚(2枚未満)、LV2で金貨2枚(5枚未満)、LV3で金貨5枚(10枚未満)、以降+3につき10倍になる。例えば目標値8・LV16で10万G(30億円)になる。

余談

 竜人や爬虫人の設定は、陰謀史観のうちの一部で語られるレプティリアンに着想を得て、独自の設定を大量に混ぜ込んで構築している。

[最終更新日 2020.10.4]