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TRPGコラム

TRPGってどんな遊び?

 わたしがTRPGのことを知らない人に、こう問われたら、「卓上即興劇:何人かでテーブルを囲んで、紙と筆記用具、設定資料的な本を使いながら、即興で協力して工夫しあって、架空の世界でのお話を作る遊び」と答えるようになりました。何割かは「なんか面白そうだね」と言ってくれたので、相手が今楽しんでいる趣味と、この文章内のどこかが合致すれば、一度遊んでみたいと興味を持ってもらえるんじゃないかな、と思っています。
 しかし同時に、実際に遊んでいる人の間でも様々な意見があって、下手をするとこれだけで丸1日討論できてしまうくらい、多様性がある遊びでもあります。わたしの考え方も、実は約29年のTRPG歴の内に、二転三転しています。

 まず、他の娯楽に例えるなら…
 ハリウッド映画や香港カンフー映画、人気ドラマやアニメの劇場版との共通点が、かなり多いと感じます。ハリウッドなら派手なアクションの応酬、香港カンフー映画なら倒すべき敵とのバトル、劇場版なら…戦闘だったりカーチェイスだったりアリバイ破りだったり愛の告白だったり。大きく盛り上がるクライマックスを用意していることと。クライマックスに至る前に幾つもの障害や悩み、誤りへの気付きや、新たに知る事実などがあること。が、かなり似ています。
 特に(昔の)香港カンフー映画は、脚本が(外部流出の危険が高いため)あいまいで、アドリブ(即興)も多いので、制作過程自体がTRPGにとても似ています。また、ほとんどのTRPGでは事件の元凶との戦闘がクライマックスになるので、その意味でも似ています。
 1冊で完結する小説やマンガ、または長編作品の「第○部」にもそれなりに近い気がしますけど…連載打ち切り等でクライマックスに至る前に終わる作品も多いので、似ている、とは言いにくいと思います。テレビドラマやアニメは、1話で話が完結するものはさほど多くないんですけど、時代劇なら1話完結の話が多く、前述の映画と同じような共通点があります。
 コンピューターゲームに例えると、TRPGは「RPG」と、「アドベンチャーゲーム・ノベルゲーム」を融合したもの、あるいは「シミュレーションRPG」や「育成シミュレーションゲーム」に近いと思っています。ストーリー進行を行う場面と、戦闘や訓練などを行う場面がくっきり分かれているゲームが多く、TRPGの二大要素である「ストーリー進行や情報収集」と、「戦闘などのアクション」のメリハリのつけ方との共通点が多い、と感じます。
 しかし、勝敗がはっきりつくタイプの娯楽(勝敗を競うタイプのTRPGも少数存在します)、実際に体を動かす娯楽とは、あまり似ていないと感じます。参考になる部分はあるとは思いますけど。
 ということで…TRPGは、もし自分が「映画、アニメ、小説、マンガ、コンピューターゲーム等の登場人物だったらどうする?」を遊ぶゲームだ、とも言えます。

 そして、言葉の説明をすると…
 TRPGは、「テーブルトーク・ロール・プレイング・ゲーム(Table-talk Role Playing Game)」の頭文字です。
 「テーブルトーク」は英語で「食事中の雑談・座談」という意味です。「ロールプレイング」は英語で「自分以外の他の役を演じることを通して訓練・治療する」という意味です。つまり、TRPGは会話(雑談や座談)によって成立し、「自分ではない誰か」の役を演じるゲームになります。「ゲーム」なので「訓練・治療」という側面はここでは考慮しないことにします(訓練を目的としたTRPGも少数存在します)
 心理学用語では、「ロールプレイング」の他に「ロールテイキング」という言葉があります。「ロールプレイング」は自分以外の誰かの立場になったときに、自分ならどうやって解決するかを考えさせる手法です。一方「ロールテイキング」は自分以外の誰かの立場や人格になりきって、その通りに行動させる手法です。つまり「TRPG」は、「あなたがその立場になったらどうする?」を会話で遊ぶゲームなのです(ロールテイキングの要素も若干ありますけど、主要な要素ではありません)

 やっと、具体的には何をするのかに触れてみます…
 参加者は、主人公的な立場の役者である「プレイヤー」と、脚本家・監督・主人公たち以外の役者を兼任する「ゲームマスター」かのどちらかになります(呼び方が違うゲームもあります)
 「ゲームマスター」は1人で、他は全員「プレイヤー」になります(ゲームマスターを補助する「サブマスター」を用意することもあります)
 プレイヤーは架空の世界に住む架空の人物=キャラクター(映画の『主人公』的な存在)を作成します。このとき「ルールブック」や「サプリメント」と呼ばれる設定資料集的な本を使って、架空の人物の特性(長所や短所、過去の人生経験や今発揮できる能力、人間関係や今の境遇、周囲の評価等)を決めます。「ルールブック」や「サプリメント」に掲載されているサンプルキャラクターや、ゲームマスターがあらかじめ用意したキャラクターを使うこともあります。
 プレイヤーは「自分が演じるキャラクターの立場になって、何らかの事件を解決」します。
 ゲームマスターはその架空世界に「何らかの事件」を発生させて、障害やキャラクターを悩ませる選択肢などを用意し、障害を乗り越えたり選択肢を決める手助けになる情報なども用意します(用意をプレイヤーに任せるゲームも存在します)。加えて、主人公を手助けする存在(人、物、組織など)や妨害する存在を用意して演じます。「ルールブック」や「サプリメント」には、ゲームマスターを手助けするデータも用意されていますし、ほぼそのまま使える脚本(サンプルシナリオ)や、シナリオづくりのヒント(シナリオフック)も用意されています。ですので、この文章を読んで感じるほど難しい役割ではありません。
 加えて、ゲームマスターがいなくても遊べるように設定したサプリメントがあるゲームも存在します。みんなでゲームマスターの仕事を分担する遊び方ができますし、ゲームマスターのためのシナリオフックにもなるので重宝します。
 ただし、ゲームによっては、データ(世界観・キャラクターの特性・手助けや妨害をする存在など)の不足や過剰を感じることがあります。どの種類のデータが、どれだけあれば適量だと感じるのか、が個人ごとにまちまちなので、そのゲームを遊ぶと(制作会社や制作者が)想定した層のうち、最大多数が満足すると感じる量になっています。様々なゲームを実際に体験してみないと、自分自身の適量は理解できないものなので…申し訳ないんですけど、試してみてくださいとしか言えません。
 試すことに協力してくれる人を見つける方法などは、別の文章でお話しします。

 「架空の世界」には現実世界に近いもの(ライトノベル的な「現実の裏側で魔法の使い手たちが侵略者と戦う現代ファンタジー」世界が多数)もありますし、「剣と魔法のファンタジー」世界や、「宇宙を旅するスペースオペラ」世界、「巨大企業に支配されたサイバーパンク」世界など、さまざまな世界があります。
 その架空世界で「何らかの事件」が発生して、解決するために「あなたならどうする?」かの決断を迫られます。そしてあなた(たち)の決断や、サイコロやトランプなどのランダム要素によって決まる行動の成否によって、事件が収束します。解決できるか、失敗してしまうかは下した決断と偶然によって左右されてしまいます。やり直しが効かない、手に汗握るスリルがあります。
 「事件が発生して決断を迫られる」のは、映画やアニメ、小説、マンガなどでよく使われるストーリー展開です。そんなストーリーをテーブル上で手軽に楽しめる。それがTRPGなのです。直前の段落を読んで「手軽じゃない」と感じる人が多かったと思いますけど…これまで引用した映画やドラマ、アニメ、小説、マンガ、ゲームを制作することと比べると、はるかに手軽です。プロが何十人も集まって何ヶ月(小説やマンガは1人だったり毎週だったりしますけど)もかけて作り上げたものを見たり遊んだりして得られる満足感を、たった数人でしかも1日(事前準備があるのでもう少し長いかも)で得ようとするゲームがTRPGなんです。

 長くなってしまいましたが、「面白そうだ」と思ってくれる人が1人でも多くなればうれしいです。もうちょっと具体的な話は次回以降に回します。

遊んでみたいと思った方はご連絡ください。

[最終更新日 2015.7.15]