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リーベラトール ~剣と魔法と影の支配者~

コンセプト

 このゲームは、科学文明が崩壊した未来の地球を支配する爬虫人と戦う、剣と魔法のファンタジーTRPGです。
 liberator(リーベラトール)はラテン語で「解放者」という意味です。

このゲームを遊ぼうとするゲームマスター向けに、ゲーム説明用の文章を掲載する。話すためにかかる時間を段落ごとに付記したので、説明に制限時間がある場合はより重要な冒頭から順に途中まで読むことをお勧めする。当然アレンジしてもよい。
TRPGとは
数人で協力し合って、1つの物語をその場で作り上げるゲームである。(約10秒)
会話で進めていくので見た目は地味だが、特別な道具も不要なので安くて手軽に遊べることが特長だ。(約10秒)
物語の舞台を表す世界観ごとにルールがあり、ルールを守って遊ぶことでゲームとして楽しむことができる。(約10秒)
集まった数人のうち、1人は物語の下地となるシナリオを用意するゲームマスターに、残りは物語の主要人物を演じるプレイヤーになる。ゲームマスターは端役や障害となる人物を演じ、ルールの審判も努める。(約20秒)
ゲームの目的は「全員が楽しむこと」である。競争や対立を楽しむこともあるが、本気の戦いになったり、不機嫌になったりさせたりしないよう注意すること。そのためには「言いたいことはだまらず穏やかに伝える」「発言には理由も添える」「自分を正しいと決めつけない」「有限な時間を有意義に使う」ことを心がけるとよい。(約30秒)
TRPGは「コミュニケーションのゲーム」であり、コミュニケーションの基礎は必要不可欠である。(約10秒)
さて、物語の舞台は剣と魔法のファンタジーあり、現代社会の裏側で人知れず戦う世界あり。ありとあらゆるフィクションをごちゃ混ぜにした世界もある。そんな世界で危険を冒す、ワクワクする物語を作り上げよう!(約25秒)
リーベラトールとは
科学文明が崩壊した未来の地球を支配する爬虫人と戦う、剣と魔法のファンタジーTRPGである。プレイヤーは何かを解放する冒険を行う運命を背負った解放者(リーベラトール)を演じることになる。(約25秒)
このゲームでは自分も敵も専用のカードで表現され、他に必要なのは付属のチットと普通のサイコロ1つだけ。初期レベルで遊ぶなら筆記用具すら不要。だが手軽さだけがウリではない。(約20秒)
サイコロの出目で決まるカードの効果はランダム性が高いためパーティーゲーム的な面白さがあり、情報収集の成功や経験点で得られるボーナスを駆使してランダムをくつがえす戦術的な面白さも同居している。(約20秒)
プレイヤーが演じる主人公たちは、冒険者と呼ばれる被差別階級の人間になる。差別される理由は、何らかの理由で「人間になりすました爬虫人が人類を支配している」ことを知ったから。支配階級である爬虫人にとって、邪魔な存在になったのだ。公的には「元」犯罪者として扱われ、村や町では旅人の宿に隔離されることが多い。しかし、命の危険がある仕事を安価でこなすため、実は無くてはならない存在である。(約45秒)
冒険者たちの目的は様々だが、何かを解放するために戦う者はみな助け合う仲間~解放者~なのである。(約10秒)

目次

世界観・コンセプト
リーベラトールのコンセプトと世界観。
基本ルール
ゲームを遊ぶための基本ルール。
カード(PDF)と作成ルール
カードやプレイマットなどのプレイ用PDFと、カード作成ルール。

紹介動画公開中

1曲目

未来の地球に伝わる伝承

 かつてこの地球と呼ばれる世界には、高度な魔法文明があった。魔力の塔から引き出した魔力を呪物に込めることで、誰もが多彩な魔法を行使することができた。しかし、魔力の塔の崩壊によって、この文明は滅んだ。壊れた魔力の塔から放出される穢れた魔力は、あらゆる生命の心と体を歪めていった。
 人類を影から支配する悪しき竜たちは、人間の数が増えすぎて支配の魔力が及ばなくなる者が増え始めたことを恐れ、人間を間引くことを決めた。穢れの存在をひた隠しにし、それを知られると穢れが生命を歪めることを隠し続け、さらには生命の歪みを進化だと嘘をつく。ほとんどの人間はだまされ、わずかな人間の逃げ場は奪われた。
 魔力の塔の崩壊は隠蔽されたまま進行し、やがて大規模な地下爆発を生じさせ、短時間ではあったが大規模な魔力供給停止を起こした。これにより塔の魔力を使って封印していた病の源たる蝿の王が解き放たれ、災厄は世界中に拡大した。
 かくして約9割の人間や生命が死に絶え、生き残った人間のうち多くは人間とは異なる姿を持つ亜人へと姿を変えた。かつての文明は滅び、自然界にある魔力を呪物に集めて使う小規模な文明が広まりつつあった。
 しかし穢れの影響が特に強かった土地、特に弓形の大きな列島で、亜人の中で最も醜く野蛮な鬼族が生まれた。鬼族たちは生き残るために、穢れの少ない土地を求めて世界中に散っていった。穢れの影響で極めて粗暴な性質を持つ鬼族は、行く先々でいさかいを起こした。だが魔力の塔の管理をおこたって世界を滅ぼした者達の子孫である鬼族に、住む場所を分けてやる者はいなかった。生き残るための戦争が世界中で起こり、彼らは互いに滅びようとした。
 そのとき、穢れた魔力の影響を避けるため地底に潜んでいた人々が地上に舞い戻った。鬼族のほとんどを打ち倒し、穢れた魔力を取り除く儀式をし始めた彼らは、地上の人々と混じり合いながら地球の復興を始めた。

 しかし、彼らこそが穢れを発する魔力の塔を人類にもたらした者であり、竜になりすまして人類を支配し続けてきた亜龍族だったのだ。
 君たちは何らかの理由でその事実を知り、数奇な運命に巻き込まれていく…

世界観

 竜、爬虫人(亜龍族とその従属種族の総称)、鬼族、人間と亜人は、それぞれが異なる世界観を持っている。
 人間と亜人の世界観はほぼ共通しているが、それでも種族ごとに差異があり、ときに埋まることのない溝を形成する。世界に対する影響力がほとんど無い竜を除く3グループについて、ここで説明をする予定だ。
 単純に言うと、亜龍族は世界の真実を知るエリート、その他の爬虫人は世界の真実の一部だけを知って都合良く解釈しているエリートである。たいていの爬虫人は亜龍族に利用されているとは思っておらず、自分が人間ではないことに気づかないものもいるようだ。いずれも人間に変身することができるため、何も知らない人間や亜人たち(いわゆる普通の人々)をだまして自分たちの目的を果たそうとする。
 爬虫人はおおまかに亜龍族、蜥蜴族、蛇脚族、鰐牙族、亀甲族に区分され、大半を蜥蜴族が占める。蜥蜴族は最も格下だが最も尊大で、自らを全知全能であると信じている。蛇脚族は用心深く、知略や誘惑の片方、または両方を得意とする。鰐牙族は一騎当千の兵で正々堂々とした性質を持つが激しやすく、虐殺や強姦を犯すことがある。亀甲族は持論を貫き通すためにどんな罪をも犯す頑固者で、敵勢力やPCたちと手を組むことすらある。亜龍族は他の爬虫人を統べるだけの高い能力を持つが、冷淡で情のないサイコパスである。
 ほとんどの人間や亜人にとって、爬虫人たちは鬼族から自分たちの先祖を救った英雄の子孫である。爬虫人たちが人間であると信じて疑うことがなく、為政に不満がある者でも鬼族と戦うためなら仕方がないと納得してしまう。
 鬼族はおおまかに2種類に分かれる。片方はただの野蛮な暴れ者で、もう片方は世界の真実の一部を知って世界を変えようとする暴れ者だ。後者には正気を保っている者もいるが、亜龍族の支配をくつがえすために目的を持って行動しているため、爬虫人にとっては不倶戴天の敵であり、前者より危険な暴れ者として処分される。鬼族の中には自分たちの目的のため、積極的にPCたちを助ける者もいる。

これまでの地球
はるか昔、人類がまだ文明を築き上げる前、2種の宇宙人~竜人と爬虫人~が地球を開拓に訪れた。竜人は魔法の、爬虫人は科学の知識をもたらし、人類を大きく繁栄させた。やがて両者は対立し、爬虫人が勝利した。だが科学技術の大半を失った爬虫人は、魔法技術を得るために竜人になりすまし、亜龍族となった。魔法の道具として人類の血肉を求めはじめた爬虫人は、人類を洗脳、または恐怖によって服従させた。
爬虫人は竜人の血を引く者を根絶やしにするために大規模な戦争や事故を何度も起こし、ついには地球上の生物の大半を死滅させる暴挙を犯した。魔力の塔=原子力発電所の破壊と、病の源たる蝿の王=細菌兵器の放出である。
壊れた魔力の塔の近く~竜人の血を引く者が多かった弓状の列島~に住んでいた人間は、汚れた魔力の影響で最も醜く野蛮な鬼族に姿を変えた。蝿の王は死や病気のみならず、亜人や知性ある獣などの異形の生物を多数創りだした。
汚染されていない土地を求めた鬼族は、人間や亜人とあちこちで戦い、互いに滅びかけた。爬虫人たちは満を持して乱入し、魔法で鬼族を撃退したが、戦争は続く。人命を奪う口実として戦争が必要だからだ。
この時代の地球
科学的な文明のレベルはおよそ15世紀と同じで、魔法によって17世紀頃、産業革命直後の水準に保たれている。貴族たる爬虫人たちは人間に情報と人権を与え過ぎないよう文明を低いレベルに押さえつけており、自らも高度文明を活用することはほとんど無い。発電所や通信網などの大規模設備は稼働できない。
教育は義務ではなく、先進的な領主以外の土地では文字すら読めない者が多い。仕事は長男が世襲し、次男以降は兵士になることが多い。女性は誰かの嫁になるか、口減らしのために売られることが多い。親元を離れた者の半数近くは爬虫人の魔法の生贄となって死ぬ。この現状に疑問を抱く者はいるが、少数派だ。
爬虫人には亜龍族と呼ばれる純血種と、人間との混血種が4種、計5種族が存在する。いずれも完全に人間と同じ姿をしているが、極度の興奮時や人間の血を使った儀式をするときなどに正体を現すことがある。
蜥蜴族は最も格下だが、自らを全知全能だと思っている。蛇脚族は用心深く、知略や誘惑を得意とする。鰐牙族は激しやすく、虐殺や強姦を犯すことがある。亀甲族は頑固者で、持論のためにどんな罪をも犯す。
爬虫人同士は立場上協力しあうものの、たいていは反目しあっている。
魔法とはなにか
特定の儀式を行って己の意志で物質や電磁波などに干渉する、科学とは別種の論理的な技術体系である。意志だけで使うことができるものではなく、使う魔法に応じた特定の儀式を必要とする。戦闘中に魔法を使うときは、儀式を簡略化するために作られた道具が不可欠である。
元々は竜人の技術を爬虫人が盗用したものであるが、竜人たちは儀式無しで魔法を使うことができたと言われている。爬虫人や人間、亜人の魔法技術はまだまだ劣っており、それを補うために儀式や道具を使う必要があるらしい。儀式に動物や人間の血肉を使うと成功率が上がることが発見されているが、竜人たちも魔法のために他の生物の血肉を使っていたのかどうかは定かではない。
魔法技術を我々現代人が持つ科学技術の知識で説明することは不可能なため、これ以上記述することはできない。科学が発展したときに説明することができるようになるのかどうかも、当然ながら分からない。しかし、この世界では他人に説明できる技術として扱う。
なお、この世界では科学のほうが非現実的なものだと信じられているため、ほとんどの人はかつて地球上にあった科学文明を高度な魔法文明だと認識している。
PCたちの立場=冒険者とは
支配階級たる爬虫人にとって、社会規範から外れて動く人間は邪魔である。そのため冒険者は社会的に冷遇され、元犯罪者と同じ被差別階級として扱われる。
宿で冒険者たちは様々な物資を購入でき、酒場も兼ねているので飲食にも不自由はない。しかしこれは冒険者に町中を歩かせないために提供されるサービスだ。宿は兵士の詰め所などの近くに置かれ、非番の兵士たちが交代で訪れて監視を兼ねて飲食する場でもある。
ただし、宿には伝令や物資を運ぶ命を帯びた者や、行商人なども滞在する。そのため、彼らを守るための用心棒がいることも多い。
一般人にとって冒険者は「無法者」「乱暴者」というイメージが強く、迫害や畏怖の対象になる。しかし人間の尊厳に興味が無い為政者=爬虫人は、治安維持のために人を派遣することがほとんど無いため、冒険者が必要な場面は多い。しかし需要があるがゆえに冒険者になる犯罪者が一定以上存在し、「無法者」「乱暴者」というイメージの強化に一役買っている。
冒険者を支援する組織は存在しない。被差別階級の人間を支援する者は極めて少なく、しかも爬虫人が阻止するためだ。だが助けた者やその家族、宿の主人などから個人的に感謝や厚遇を受ける可能性はある。
主要な宗教
人間と爬虫人の社会で一般的な宗教は「救世教」という一神教である。悪魔に支配された鬼族を倒すことで神の王国を築くことができる、と説く神王国派が主流だ。他に、戦いより神との対話としての労働を重視する福音派、聖典と祭祀を重視する聖典派などがある。
どの宗派も聖典と聖印は共通で、正方形の上下左右に同じ正方形をくっつけた形の銀十字を聖印としている。武装の「聖印」も、通常は救世教のものとする。
輪廻転生の死生観を持ち、罪を清算した魂は神の御下で暮らすか、救済のために貴族として地上に訪れるかを選ぶことができると語られている。
一方、亜人が信仰する宗教は自然崇拝や多神教が多い。葉静族は多神教、硅皮族は大地母神信仰、跳毛族は動物祖霊信仰、銀兎族は神への依存を自戒する無神論が一般的なようだ。ほとんどの人間は亜人の宗教を低次元だとみなしているが、多様性に惹かれて信仰する人間も少なくない。
鬼族は信仰心を持たない暴れ者だと思われているが、実は多神教の者と一神教の者とが存在している。多神教側は汎神論に近く、太陽から訪れた竜を主神としている。一神教側は救世教と同じ宗教を母体とするらしく、何度も聖地に襲撃をかけている。
支配からの解放
クーデターや暗殺などによって、領有権の引き継ぎ相手を決める前に領主が亡くなった場合、数か月の間、権力の空白期間が発生する。
より上位の領主が必要な情報を得て、新たな領主を決定するまでの間に、「既成事実を作るために訪れた近隣都市の治安維持部隊」や「破壊と略奪を求める鬼族」、「実権を握るために手段を選ばない残存有力者」など、様々な脅威に直面する。
このとき、「人間たちが爬虫人の支配から独立を求める」可能性はゼロではない。しかし独立の旗頭になる勇気を持つ者は一般人の中にはおらず、冒険者が旗頭になって信用を得るにはゲームマスターが用意したシナリオを1回クリアする必要がある。その後、規模に応じて1~数回のシナリオをクリアすれば領主がいなくなった土地を解放することができる。解放してからは「支配を取り戻すために爬虫人が暗躍を始める」ので、後継者を探すか育成するまでは同じ土地にとどまって戦い続ける必要がある。
戦い続け、勝ち続けることができれば、勢力を拡大する機会もあるだろう。しかし人間たち1人1人が爬虫人の恫喝、誘惑、謀略に打ち克つことができなければ、道半ばで力尽きることになる。

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[最終更新日 2015.10.24]