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マスタリング
このゲームでは、1つの話を「起:事件の発生」「承:情報収集」「転:障害の排除」「結:後日談」の4つに分割して進行する。起承転結のうち、承・転はさらにいくつかの「シーン」に分割される。起・結はそれぞれ1つのシーンとなる。
「起:事件の発生」は、各キャラクターが1人1回ずつ登場すると終了する。「起」では各プレイヤーキャラクターが事件に出くわすところが描かれる。戦闘や交渉になることもあるが、このシーンでは「短縮戦闘・短縮交渉」のルールを使うか、判定なしで演出だけで済ませること。
「承:情報収集」は、ゲームのメインになる最も重要な場面である。「転」の後でまた「承」に戻ることもある。罠は「承」で発動する。戦闘や説得を行う場合は「転」に移る。
「転:障害の排除」は、敵との戦闘や競走、被害者や加害者への説得など、最も盛り上がる場面である。1つの戦闘や説得などがそのまま1つのシーンになり、終了後は「承」か「結」になる。マスターが絶望を使うと敵が登場する。
「結:後日談」は、話の結末を語る場面である。事件後のキャラクターたちの行動や日常生活を通して、語りきれなかったことを伝える「余韻」のシーンとなる。戦闘や交渉はほとんど発生しないので、気力を与えずに済ませてもよい。
旅の理由とハンドアウト
各キャラクターには、事件に関与し、解決しようとする動機を与える必要がある。そのためには各キャラクターに目的を与える必要がある。この目的のうち、そのキャラクターを使うときに普遍的に有効な目的を「旅の理由」、そのシナリオ中にのみ有効な目的を「ハンドアウト」と呼ぶ。
「旅の理由」はキャラクター作成時に与えられる。事件を解決させると各キャラクターに地球から希望のカケラを与えられるが、その使い道は「旅の理由」によってまちまちである。これをキャラクターのモチベーションにすることができる。
「ハンドアウト」はシナリオ開始前(「起:事件の発生」の前)に与えられる。事件に関わる理由などが設定され、シナリオ別の『想い』の源泉になる。ハンドアウトの内容と『想い』の内容がキャラクターのモチベーションとなる。
1D6 | きっかけ | 解説 |
---|---|---|
1 | 対象を助けたい | 対象を救うために困難に立ち向かう。対象は知人であったり魅力的だったりする 対象に対するポジティブな『想い』を獲得する |
2 | 対象と戦いたい | 対象を倒すべき者だと思っている。対象とはただならぬ因縁がある/できる 対象に対するネガティブな『想い』を獲得する |
3 | 依頼された | お金やサービスなどの供与と引き換えに依頼を受け、旅立つことになった 依頼者に対する『想い』を獲得する |
4 | 恩返し | 対象に助けられたので、恩を返すために、自主的に旅立つことにした 対象に対するポジティブな『想い』を獲得する |
5 | 組織の命令 | ある組織に所属しており、その組織に命令されたため、旅立つことになった 所属組織に対する『想い』を獲得する |
6 | 世界の願い | 危機に陥った世界の意思が、直接心に語りかけてくる。世界を救うために旅立つ 救うべき世界に対する『想い』を獲得する |
シーン進行
シーンは『「誰か」が「何か」をする。』という一文で表現されます。目的はなるべく最小限の単位にする必要があります。
「誰か」とはシーンプレイヤーのキャラクターです。
「何か」がシーンプレイヤーの目的です。例えば「城に侵入する」「敵を倒す」などです。目的が細かくなるほどシーンは作りやすくなりますが、最初は漠然とした目的しか思いつかないことでしょう。その場合ゲームマスターは、目的を細分化させるためのヒントを与えるようにしてください。
場所と時間は、ゲームマスターが設定します。シーンを作る理由はシーンプレイヤーにゆだねられます。「国王の秘密を探る」ために国王の側近を尾行する、などのように各自考えてください。このシーンを作る理由があいまいになる場合、目的を見失っていることが多いので、今までの状況を整理することをお勧めします。
- だれが(who)
- そのシーンで、ある1つの目的を持って行動する人。シーンプレイヤーのキャラクターのこと。
- なにを(what)
- そのシーンで達成されるべき目的。なるべく最小限の単位に分割すること。
- いつ(when)
- そのシーンがいつなのか、どの程度の時間がかかるのか。ゲームマスターが決定する。
- どこで(where)
- そのシーンがどんな場所なのか。ゲームマスターが決定する。
- なんのために(why)
- シーンプレイヤーが決める。ここがあいまいになる場合、プレイヤーが目的を見失っている可能性が高い。
- どうやって(how)
- 目的を達成するためにどんな判定を行えばいいのか、ゲームマスターが決定する。
希望のカケラ
- 「希望のカケラ」の中には、(プレイヤー人数×20)+(プレイヤーキャラクターの使用経験点の総計÷5)点の【希望】が入っている。
- 敵ボスはこの中から、(入っている希望÷3)点の【希望】を引き出して【絶望】として使うことができる。
- 1シーンで使える【絶望】の最高値は(入っている希望÷10)点になる。
- プレイヤーキャラクターが「希望のカケラ」から【希望】を引き出して使おうとしたら、ただちにNPC化する。
使い方 | 絶望消費量 | 解説 |
---|---|---|
時限行動 | 1点 | 時限行動を発生させることができる |
罠設置 | 1~ | 味方1体に対して1種のバッドステータスを与えるか、物理耐性か精神耐性を1D6点減らす罠を1つ作ることができる。 罠発見・回避・解除の目標値は15。罠発見に失敗すると無条件で罠の効果を受ける。罠発見と解除は別の者が行ってもよい 追加で1点使うごとに、「全ての目標値を+5」することができる 追加で1点使うごとに、耐性減少量に「1D6」を追加することができる 追加で2点使うと、対象を「味方全員」に変更できる 追加で2点使うと、「解除不可能」で回避することしかできない罠にできる |
敵登場 | 1~ | 時限行動において、 1点使うと、0レベルの敵(雑魚)を1体出すことができる 2点使うと、1レベルの敵(中堅)を1体出すことができる 4点以上使うと、「使った点数×2」レベルの敵(大将)を1体出すことができる |
追加気力 | 1点につき1点 | 時限行動において、【絶望】を1点使うごとに敵のうちの誰かが【追加気力】を1点得ることができる |
特殊空間 | 1種類につき1点 | 時限行動において、【絶望】を1点使うごとに以下の特殊空間のルールを任意で1種類適用できる。このルールは敵味方全員に効果がある |
特殊空間
1D6 | 特殊空間 | 効果 |
---|---|---|
1 | 不安定な足場 | 移動に必要な気力が2点になる、飛行している者には無効 |
2 | 大きな物音 | 精神攻撃・交渉の達成値-5 |
3 | 障害物が多い | 射撃攻撃の達成値-5 |
4 | 結界内 | チャージ、気力譲渡に必要な気力が3点になる(援助と気合ためは1点でOK) |
5 | 極端な高温、低温 | クリンナッププロセスで物理耐性と精神耐性を-1D6 |
6 | コロシアム | 脱出不能、あらゆる攻撃と交渉の達成値+5 |
時限行動での敵の運用について
大将1体だけでは、プレイヤーキャラクターの気力合計と比べて気力が少ないため、すぐに倒されてしまう。そのため、カバーリングをさせる要員として雑魚や中堅を複数体登場させること(一度に使える絶望の数を超えないように注意)。
雑魚については、攻撃のためにしか気力を使わないことを原則とする。自分のイニシアティブが来たらクリティカル狙いで、気力を1点使う攻撃を2体に対して行うこと。ただし、大将と同時に登場した場合は攻撃に参加しない者を1体用意しておくこと(カバーリング要員)。
中堅については、攻撃のために2~3点の気力を使うことを原則とする。残りはリアクション用にとっておくこととなる。チャージや気力譲渡は行わない。
大将については、攻撃のためにしか気力を使わないことを原則とする。気力を3点ずつ使って2人に、2点ずつ使って3人に攻撃してもよい。チャージや気力譲渡は行わない。雑魚や中堅を同一のマスに配置し、攻撃されたらカバーリングさせること。カバーリング要員がいなくなったら、それ以降はリアクション用に2~3点の気力をとっておくように運用を変更すること。絶望が残っていたら追加気力に変換するとよい。
マスターのシステム紹介文
コンベンションなどでシステムの紹介をする際に役立つよう、紹介文を用意しました。40秒ずつ、3パートに分けて記述しています。文中には書いていませんが、このゲームを遊ぶのに適切なプレイヤー人数は3~5人です。
背景設定の説明(約40秒)
地球の奥深くに眠る希望。
それはとてつもなく大きな、六十数億の人々を生かすための力の結晶。
しかしあるときある男によって、地球の希望が粉々に砕かれ、あちこちの世界へと飛び散ってしまった。
希望を失った地球では紛争や犯罪が蔓延し、人々の生きる気力が失われつつある。地球は急速に滅びつつあるのだ。
そこで地球は、強い希望を心に抱く人々に助力を求めた。「失われた希望のカケラを取り戻してほしい」と。希望を取り戻せば、地球の滅亡を防ぐことができるのだ。
ルール紹介(約40秒)
「カケラ」は地球人が異世界で冒険をする冒険活劇TRPGです。異世界の住人を演じることもできます。
キャラクター作成は、出身世界を選んで、17種類ある情報収集用のスタイルと、28種類ある戦闘・交渉用のスタイルとを1つずつ選べば完成します。どのスタイルも、情報収集でも戦闘でも活躍できるように設計されています。
加えて、各キャラクターには地球から1人1つずつ特技が提供されます。戦闘等のバランスはこの特技で調整しているので、ゲームバランスを気にせずにキャラクターを作っても問題ありません。
ルール詳細(約40秒)
使うダイスは6面体のみ。シーンごと、戦闘中はラウンドごとに4点の気力(=行動ポイント)を与えられ、費やした気力と同じ数のダイスを振って達成値を求めます。気力はためたり誰かに渡したりすることができ、一気に使うとかなり高い達成値を出せます。
戦闘や交渉は、ヒットポイントやメンタルポイントを目標値にして判定をし、上回ればダメージを与え、2倍を上回れば倒したり説得したりできます。そう、高い達成値が必要になるのです。
気力をためたり渡したり、チームで戦略を組むことが大事なゲームになっています。
[最終更新日 2015.7.15]