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第4章:転(事件解決のための一大イベント)
LUNAでは、1つのクライマックスをいくつかの「ターン」に分割しています。
クライマックスの開始時に、必ず「感情のゆらぎ」が発生します。クライマックス以外のイベントを、クライマックスのルールで処理する場合は発生しません。また、クライマックスが2回以上ある場合、その都度発生します。
規定のターン数以内に解決できなかった場合、または逃走した場合、「第3章:承」に戻ります。
各ターンに1回、事件を解決するための「判定」を行うことができます。「追加行動」をすることはできませんが、「協力」ができるようになります。
全員が行動を終えると1ターン終了します。ターン終了時に「感情操作」を1回発生させることができます。「第3章:承」の「感情変化」とはルールが異なりますので、注意してください。
なお、ターンとターンとの間に必ずディザスターが発生します。
ターン数とディザスター
ターン数は、6ターンしかありません。
時間の経過、あるいはPC側の何らかの行動などをきっかけにして、ディザスターが発生することがあります。イベントとは違って、敵が増援されるとか、PCたち全員に特定のダメージが与えられるとか、よくないことばかり起こります。
なお、戦闘における敵NPCの反撃も、ディザスターの一種としてカウントされます。
ターンの流れ
- プレアクション:プレイヤー間で話し合い、誰がどの順番に何をするのかを決める。
- アクションイン:誰か1名が行動宣言し、演技する。「協力」する場合はここで宣言すること。
- 判定:解決判定を行う(ダイスロール)。
- アクションアップ:判定結果を反映する。
アクションインからアクションアップまでをアクションと呼び、全員のアクションが終わったらポストアクションへ。 - ポストアクション:感情操作を行い、ディザスターの発生を待つ。
感情のゆらぎ
自分が今まで信じていたものが、肝心なときに限って、急に信じられなくなることがあります。LUNAでは必ず、クライマックスの開始時に「感情のゆらぎ」が発生します。
- 「好き」で取得しているあらゆる感情に対して「感情のゆらぎチェック」を行う。1D6を振り、出目が現在の感情レベル以下であれば、「ゆらぎ」が発生する。
- 「ゆらぎ」が発生した感情に対して、以下の2つのうち、いずれかを実行すること。
- 感情レベルを1レベル下げる
- 「好き」から「嫌い」への変更
解決判定
事件を解決するために行える行動は色んなものがあります。すべて、自分の行動手番を使って行うことができる行動です。
[表部分はスクロールが可能です]
方法 | 判定に使う感情 | 目標値 | 効果 |
---|---|---|---|
攻撃 | 相手に対する感情 | 相手の気力×2 相手の気力×5 相手の気力×10 | 物理的な攻撃のみならず、精神的なゆさぶりや社会的な圧力などを含む。 成功すると相手に1種類のダメージを与える。 達成値が相手の気力×2以上×5未満の場合、ダメージの種類は相手が(「死亡」以外から)選択できる。 気力×5以上の場合、自分が(「気絶」「致命」「死亡」以外から)選択できる。 気力×10以上の場合、「気絶」「致命」のダメージを与える権利を得る。 |
防御 | 守る相手(味方)に対する感情 | なし | 味方1人への攻撃を、代わりに自分が受けることができる。さらに、攻撃の目標値の基準となる気力が一瞬だけ「1D6+レベル」点(判定扱い)上昇。 |
交渉 | 相手に対する感情 | 相手の気力×2 | 話し合うことにより、相手の感情を変化させることができる(だますのも含む)。 先に、相手の感情のうち1種類を指定する。 判定に成功すると、自分が望む方向に1レベル分だけ感情が変化する。 判定に失敗すると、相手が望む方向に1レベル分だけ感情が変化する。 |
請願 | 相手に対する感情(「嫌い」はレベルをマイナスとして扱う) | 相手の気力×10 | 相手にお願いをして、望む行動を1回だけ、行わせることができる。 判定のときに使うレベルには、請願の内容に、対象が持つ感情のレベルを足したり引いたりすることがある。これによって合計レベルがマイナスになったら、請願は自動的に失敗する。 「好き」を肯定する内容ならそのレベルをプラス 「好き」を否定する内容ならそのレベルをマイナス 「嫌い」を肯定する内容ならそのレベルをマイナス(請願側の気力-1) 「嫌い」を否定する内容ならそのレベルをプラス(請願側の気力-1) |
解除 | GMが指定 | GMが指定(通常は開始時10~30) | ある不利な状況を解除する。 成功すると、達成値を「合計達成値」にプラスすることができる。合計達成値が「目標値×10」に届けば解除完了。 届かない場合は、「目標値+1」されて処理続行。 判定に失敗すると、解除を試みた側は1種類のダメージを受ける。 |
説得 | 相手に対する感情(「嫌い」は使用不可能) | (逆転させたい感情のレベル)×(逆転させたい感情のレベル) | よく話して、相手の感情を大きく変化させることができる。 「解除」のルールを使用し、合計達成値が「目標値×10」に届けば、相手の感情の「好き」と「嫌い」を、強制的に逆転させることができる。 |
逃走 | 何らかの感情(逃がす相手に対する感情) | 10+(敵の人数)-(残る人数) 「中堅」を含むなら+5 「首領」を含むなら+10 | 敵から逃げ出す。誰かを逃がしたり、一部だけ逃げたりもできる。 自分が逃げるときは、どの感情を使用してもかまわない。 「解除」のルールを使用し、合計達成値が「目標値×10」に届けば、逃げ出した者たち全員は安全な場所まで避難でき、イベントを終了させられる。 |
回復 | 何らかの感情(回復相手に対する感情) | 10 | (達成値÷10)回分、「気力+1」または「ダメージを1種類除去」することができる。ただし、敵NPCは自分を回復することはできない。 自分に対して行うときは、どの感情を使用してもかまわない。 これによって「行動不能」が解除されたり、「気力が1以上まで回復」したりすると相手は行動可能になる。 |
協力 | 協力相手と同じ全く感情 | 協力相手の行動の目標値と同じ | 「第3章:承」で説明されている「協力」を行うことができる。 |
ダメージ
LUNAでは、一時的な感情の変化、肉体的、社会的な状況の変化などは、全てダメージという形で表現されます。ほとんどが不利になる変化ですが、中には有利になる変化を起こすものも混ざっています。20種類あり、うち「逃走」は敵専用のダメージです。
特に記述が無い限りは、あらゆるダメージの効果は重なります。
なお、これはダメージではありませんが、気力が0以下になると、1以上に戻るまでの間行動不能になります。
[表部分はスクロールが可能です]
種類 | 効果 | 解説 |
---|---|---|
萎縮 | 気力消費のとき消費量が2倍に | 普通のことはできるけど、本気を出すことができず、すくみあがってしまう |
苦痛 | 気力消費によるダイス増加をしても、意味が無くなる | あまりにも苦しいせいで、がんばることができない |
激怒 | 次回、気力を0にするまでダイス増加をする義務発生。気力0になると自動的に除去 | 心が怒りに包まれる。全力でヤツをぶちのめす! |
高熱 | 判定のダイスの数が常に-1個される | 熱に浮かされて思うように行動することができない |
高揚 | 出目2を出目1に変更し、出目5を出目6に変更する。変更後の出目を使って、自動失敗や振り足しの有無を判断 | 自信がみなぎっていて、何でもできるような気がする |
孤立 | 支援、妨害、防御、協力ができない。影響を受けることも無い | 自分の味方なんて誰もいない。聞く耳を貸さない |
混乱 | あらゆるエフェクトを使用することができなくなる | ここはだれ? わたしはどこ? 何かしなくちゃいけないと思っていたんだけど、何だっけ? |
憎悪 | 好きの感情を使う判定ができなくなる。さらに、付与エフェクトや付与アイテムも一時的に使えなくなる | 憎しみの感情がわきあがり、「好きなこと」を考えることすらできない |
眠気 | 出目1が1つ以上出ると自動失敗になる | 眠い。がんばろうと思えば思うほど、失敗してしまう |
悲嘆 | 最大レベルの感情を使う判定ができなくなる。さらに、付与エフェクトや付与アイテムも一時的に使えなくなる | 悲しい。一番気持ちこそが、その悲しみを引き起こす |
疲労 | 攻撃、交渉、説得、請願を受けるときの目標値が半分に | 疲れた。もう何をされても言われてもかまわない。休みたい |
負傷 | 出目6が振り足し不可、しかも数値が「0」として扱う | ふとした拍子に傷が痛み出す。好調なときほど痛むのだ |
不動 | あらゆるアイテムを使用することができなくなる | 転倒、捕縛などにより身動きがとれず、物を使えない |
放心 | 嫌いの感情を使う判定ができなくなる。さらに、付与エフェクトや付与アイテムも一時的に使えなくなる | ほけー? よくわからないけど、いやなことはしたくないきぶんだよー |
流血 | アクションアップ時、新たに1種類のダメージを受ける | 血が流れ出し、どんどん身動きが取れなくなっていく |
冷却 | あらゆる判定の達成値が半減する | 寒いせいで体も頭も思うように動いてくれない |
気絶 | 行動不可能になるが、以後ダメージを受けなくなる | 倒されたあなたを、敵は無視して行動する。あるいはさらわれることも |
致命 | 次回ダメージを受けると必ず死亡。他のダメージの影響を全て無視 | 次は無い。そう思うと、今までの苦しみが一時的に消えた、そんな気がする |
死亡 | 行動不可能になる。このダメージは除去不可能 | キャラクターシートを破り捨て、新しいシートを用意すること |
逃走 | NPC専用。次の行動が必ず逃走になり、絶対に成功する。逃走後、自動的に除去 | まずい、今逃げられると仲間に連絡されてしまう |
感情操作
- ポストアクションで全員、1回ずつ感情操作を行う。
- 可能なことは下記の2種類。
- 任意の1種類の感情のレベルを+1して、別の1種類の感情のレベルを-1する
- 何もしない
- レベルを変更した感情はそれぞれ、さらに気力を(変更後のレベル)点使うと「好き」か「嫌い」かを変更することもできる。
敵NPCの種類と運用方法
敵NPCの一部は「士気値」を持っています。受けたダメージの個数が「士気値」を上回ると、通常のダメージに加えて、「逃走」のダメージを受けます。
敵NPCは、「雑魚」、「中堅」、「首領」の3種類に分かれます。「首領」は1シナリオに1体のみ、「中堅」は1シーンに1体のみしか登場させられません。
クライマックス以外で登場する敵のうち、「雑魚」と「首領」は、「士気値=0」になります。「首領」が「逃走」するときは、GMは余裕のある態度を見せ付けるよう心がけてください。なお、「中堅」には「士気値」はありません。
クライマックスで登場する敵のうち、「雑魚」と「中堅」は、「士気値=戦うための理由となる感情の個数」になります。たとえば首領や組織への忠誠、人質の存在などです。「中堅」が「逃走」するときは、GMは「首領を裏切る」とか、「増援を求める」とか、それらしい理由を付けるよう心がけてください。もちろん、「首領」には「士気値」はありません。
3種類の敵NPCの強さについては、下の表を参照してください。なお、データ簡略化のために、敵NPCが持てる感情の数は、最大4種類とします。感情が3種類以下のときは、感情の最大レベルが4に満たない分だけ上昇します。
また、登場する時点で持っている感情のレベルは、それぞれ違う値にする必要があります。
敵NPCは自分を回復することができません(味方を回復することはできます)。また、感情操作を行うことはできません。その代わり、「中堅」と「首領」は毎ターン気力が増えていきます。これはディザスター開始時(反撃の判定の直前)に行われます。
PCに神人がいない場合の敵の強さ
[表部分はスクロールが可能です]
種類 | 感情の最大レベル(4種類のとき) | 初期気力 | その他 |
---|---|---|---|
雑魚 | 5または(首領の最大レベル-2)のうち低いほう | (感情レベル)の総計÷2 | 神人不可 |
中堅 | 6または(首領の最大レベル-1)のうち低いほう | (感情レベル)の総計 | 神人不可、毎ターン気力+1 |
首領 | (PCの気力の初期値の総計)÷10+2 | (感情レベル)の総計×2 | 神人可、毎ターン気力+2 |
PCに神人がいる場合の敵の強さ
[表部分はスクロールが可能です]
種類 | 感情の最大レベル(4種類のとき) | 初期気力 | 神人 |
---|---|---|---|
雑魚 | 6または(首領の最大レベル-4)のうち低いほう | (感情レベル)の総計÷2 | 神人不可 |
中堅 | 首領の最大レベル-2 | (感情レベル)の総計 | 神人可、毎ターン気力+2 |
首領 | (PCの気力の初期値の総計)÷10+神人PCの人数+3 | (感情レベル)の総計×2 | 神人可、2回行動可能、毎ターン気力+3 |
感情の最大レベル
[表部分はスクロールが可能です]
感情の種類数 | 4 | 3 | 2 | 1 |
---|---|---|---|---|
感情の最大レベル | ±0 | +1 | +2 | +3 |
[最終更新日 2015.7.15]