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裸の歯
HSP(Highly Sensitive Person)について
世界はなぜ、こんなにも攻撃的なのだろう・・・
男にも女にも、強さを求められる、現代。毎日押しつぶされそうになって、生きていくのがつらくて、かろうじて立っているだけの自分。
世界はどんどん加速していき、生み出すことより奪うことが求められる時代。こんな時代だからこそ、立ち止まって周りを見ることの大切さを知らせる人が必要なのではないだろうか。走り出すより前に。
「HSP(Highly Sensitive Person)=とても敏感な人」とは、『ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。』(エレイン N. アーロン著 講談社/ソフトバンク文庫)で紹介された、新しい概念です。“微妙なことに敏感に気づくという神経システムを遺伝的にもって生まれ、内的な経験を深く味わう傾向をもつ一方で外的な出来事に簡単に圧倒されてしまう人々のことで、全人口の15~20%をしめている”といいます。それなりに存在してはいるものの少数派であり、社会というものは多数派の意見によって成り立つものなので、HSPが生きていくのは普通の人が生きていくのよりも難しいと言えます。
HSPは刺激に圧倒されやすく、その結果人一倍疲れやすかったり、「神経質」「弱虫」「引っ込み思案」のようなレッテルをはられやすかったりします。しかし、通常の感覚では見過ごしてしまうようなことに気がついたり、芸術面で大きな才能を発揮したり、悪いことばかりではありません。敏感であることにはプラス面もマイナス面もあるのです。
「少数派」であることを優れていること、とみなす人もいるかと思います。しかし、当の本人たちは「普通の人より劣っている」と思っていることが多いのです。少数派は多数派になりたがり、多数派は少数派になりたがるのは世の常です。人間には成長したいという欲求があり、その欲求が今の自分とは違う自分になることを夢想させます。しかし、単純に立ち位置を変えてしまうことは成長ではありません。A山のふもとからB山のふもとに移っても標高は変わらないのです。成長するためには目の前にある山を登るしかありません。
本を読んで、自分がHSPなのではないかと思いました。HSP度テストをしてみると15個くらい該当します。しかし、刺激に圧倒されやすいという特徴は持ち合わせているものの、特に気が利くわけでもなければ鋭くもない。『神経が高ぶっている時、私たちHSPは理解力はおろか敏感ささえも失ってしまいます』とは書かれているものの、いつも神経が高ぶっているはずは無いですし。
『生まれたばかりの時に母ザルから引き離された子ザルは、大きくなってから、生まれつき敏感なサルと同じような行動をとる傾向がある』とも書かれています。僕の母は病気がちで、僕を産んで数ヶ月で入院し、両親の祖父母に預けられたことがあったと聞いています。しかもあまりいい育てられ方をしていなかった・・・らしいです。
『もしあなたがHSPで、自然にこういうことを察知していても、それが特別な能力だとは思っていないだろう。自分の中で起こっていることは他人と比較できないからだ』というとおり、自分が敏感かどうかは自分では気づきにくいようです。では自分はどうなのかな・・・と考えてみても、やっぱりよく分かりません。
ええい、理性で分からないことは直感に頼るしかないじゃないかっ。あの日、吸い込まれるように本を手に取った自分の直感を信じるのっ。僕はHSPですっ。今決めましたっ。
HSPは『高い創造性、洞察力、情熱、思いやりなど、社会が高く評価しているものを持つグループに属している』といいます。しかし自分が持っている特長に気づかず、『気づくのは自分は他の人よりもいろんなことに耐えられない、ということだけ』。そのため自信を持てずにいます。
しかし(普通の人より劣っていると信じ込んでいる)HSPにとって、自信を持つというのはとても難しいことで、「自信を持とう」と思ってもなかなか持てるものではないようです。『まず「神経の高ぶりすぎ」を抑え、「自分の内向的なスタイルを評価する」ほうがずっと効果的』です。
自分の内面を深く探り、文章を書くこととか。ゲームやホームページを作ることは、人と話すときに緊張してしまう僕にとって「落ち着いた精神状態でできる自己表現の場」です。どうやら自己表現欲が強いらしく、いつも何か書いている気もしますが。
あとは・・・HSPにも色々なタイプの人がいるそうです。さらには普通の人とHSPの境界線あたりにいる人もいます。思いやりがあってもそれを上手に表現できる人とできない人がいたり、法律やマニュアルを遵守したがる人と疑問を抱く人がいたり、考えることが得意な人と直感で即決することが得意な人がいたりします。
『敏感すぎてすぐ「恋」に動揺してしまうあなたへ。』(エレイン N. アーロン著 講談社)では、HSS(刺激追求型)かそうでないか、という新たな判断基準も設けられており、HSPにもそうでない人にも、HSSとそうでない人がそれぞれ存在するとのことです。ちなみに僕は8個該当でHSSではありませんでした。
HSSは刺激的なことがなければすぐに退屈してしまいますが、HSPでかつHSSの場合は刺激と静穏の両方を必要とします。
この本には『最終目的は「普通」になること』『自分なりの性質を活かして、漁(社会生活)に参加しよう』と書かれています。敏感であることを言い訳にせず、その特徴を活かしながら、自分なりに社会に参加する。どうしても休む必要があるのなら休んでもいい、でもそのまま引っ込むことがないようにして。そうすればきっと、社会に受け入れられるはず。
「普通」は、きっと、社会に「いてもいいよ」と認められること。
HSP度テスト
次の質問に、感じたまま答えてください。
少しでも当てはまるのなら「はい」と答えてください。
まったく当てはまらないか、あまり当てはまらない場合に「いいえ」と答えてください。
以上の質問のうち12個以上に「はい」と答えたあなたはおそらくHSPでしょう。
しかし、どの心理テストも、実際の生活の中での経験よりは不正確です。
たとえ「はい」がひとつかふたつしかなくても、その度合いが極端に強ければ、そんなあなたもHSPかもしれません。
HSS度テスト
次の質問に、感じたまま答えてください。
少しでも当てはまるのなら「はい」と答えてください。
まったく当てはまらないか、あまり当てはまらない場合に「いいえ」と答えてください。
男性の場合、13個以上に「はい」と答えたあなたはおそらくHSSでしょう。「はい」が9個以下ならHSSではないかもしれません。「はい」が10個~12個の場合はややHSSということになります。
女性の場合、11個以上に「はい」と答えたあなたはおそらくHSSでしょう。「はい」が7個以下ならHSSではないかもしれません。「はい」が8個~10個の場合はややHSSということになります。
HSPであっても、HSS度テストで高得点になることもありえます。
僕が僕らしく、あるために。
[最終更新日 2015.7.15]